お風呂リフォームの3つの選択肢|ユニットバス交換・在来浴室リフォーム・再生塗装の賢い選び方

「そろそろお風呂をリフォームしたいけれど、ユニットバスの交換がいいのか、在来浴室のまま直すべきなのか分からない」「できれば費用を抑えつつ、見た目も機能もきれいにしたい」とお悩みではありませんか。

ひと口にお風呂リフォームといっても、ユニットバス(システムバス)を新しいユニットバスに交換する方法在来浴室からユニットバスへ入れ替える方法在来浴室のまま浴槽・壁・床を中心にリフォームする方法など、いくつもの選択肢があります。さらに、最近は浴槽やユニットバスを丸ごと取り替えずに、塗装やコーティングで再生させる「再生塗装リフォーム」も注目されています。

本記事では、ユニットバス交換・在来浴室リフォーム・浴室の再生塗装という3つの選択肢を比較しながら、費用相場や工期、メリット・デメリットの違いを分かりやすく解説します。
交換リフォームの基本を押さえたうえで、「実はもっとお得にリフォームできる再生塗装という選択肢もある」という流れでご紹介していきます。

ホテル・賃貸物件・管理会社などの法人の方には、営業停止期間をできるだけ短くしながら空室対策やグレードアップにつなげるポイントを、戸建て・マンションにお住まいの個人の方には、家族の快適性と安全性を守りながら無理のない予算でリフォームする考え方をお伝えします。

ユニットバス、在来浴室、浴槽の塗装やコーティングまで含めて比較することで、あなたの物件にとって最適なお風呂リフォームの方法が具体的にイメージできるようになります。まずはそれぞれの工法の特徴を整理するところから、一緒に見ていきましょう。

目次

お風呂リフォームで失敗しないために知っておきたい基本

ユニットバス交換、在来浴室からユニットバスへの入れ替え、在来浴室のまま部分リフォームや浴室塗装を行うなど、お風呂リフォームには複数の方法があります。まずはそれぞれの特徴をざっくり押さえておくことで、「本当は交換しなくてもよかった」「想像より工期が長くて困った」といった失敗を防ぎやすくなります。

浴室リフォームでよくあるお悩みとリフォームの方向性

最初に、「どんな不満や悩みがあるのか」を整理すると、選ぶべきリフォームの方向性が見えやすくなります。

  • 見た目の古さ・汚れが気になる(色あせ・黄ばみ・カビ・サビなど)
  • 浴槽にヒビが入っている、コーティングが剥がれている
  • タイルの冷たさや滑りやすさが気になる
  • そろそろ漏水や下地の劣化が心配
  • 工期を短くしたい、営業停止期間を短く抑えたい(ホテル・賃貸など)

お悩みの内容によって、おおまかに次のような方向性に分かれます。

見た目を中心に変えたい → 再生塗装・コーティングや部分リフォーム
設備を丸ごと新しくしたい → ユニットバス交換・在来からユニットバスへの入れ替え
寒さ・段差・滑りなどの機能面も改善したい → 断熱性・バリアフリーを考えたリフォーム

この記事では、「交換リフォーム」と「再生塗装・コーティング」の両方を比較しながら、費用と工期、仕上がりのバランスがよい選び方を解説していきます。

ユニットバスと在来浴室の違いを簡単におさらい

リフォーム方法を選ぶうえで、「今のお風呂がユニットバスなのか、在来浴室なのか」を把握しておくことはとても大切です。構造の違いによって、選べるリフォームの種類も変わってきます。

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種類ユニットバス在来浴室
つくり方工場で成形された浴槽・壁・床・天井を「セット」で組み立てる浴室防水層の上にモルタル・タイルなどを現場で仕上げる造作浴室
主な仕上げFRP浴槽、樹脂パネルの壁、樹脂床などタイル貼りの壁・床、ホーロー・ステンレス浴槽など
リフォームのしやすさ同サイズの新しいユニットバスへの交換がしやすい下地や防水の状態次第で工事内容・費用が大きく変動しやすい
再生塗装との相性浴槽・壁・床などを塗装・コーティングで再生しやすいタイル・モルタル・浴槽など、素材ごとに適切な工法の選定が必要
2点式のユニットバス
2点式のユニットバス
在来浴室
戸建住宅の在来浴室

ユニットバスは「箱ごと交換しやすい浴室」、在来浴室は「一つひとつの素材を組み合わせてつくっている浴室」とイメージしておくと、どのようなリフォームが向いているか判断しやすくなります。

リフォーム前に確認しておきたい建物条件・配管・防水のチェックポイント

お風呂のリフォームでは、見た目だけでなく「建物側の条件」を把握しておくことも重要です。条件によっては、希望どおりのサイズや工法が選べないこともあります。

  • 戸建てかマンション・アパートか(集合住宅の場合は管理規約も要確認)
  • 浴室の広さ・天井高さ・入口の位置
  • 給排水管の位置や老朽化の有無
  • 在来浴室の場合、防水層・土台・柱の傷み具合
  • 換気扇・窓などの換気性能

特に在来浴室の場合、タイルのひび割れや目地の劣化が進んでいると、見えない部分で下地や木部が傷んでいるケースもあります。このような場合、単純な塗装だけでは対応しきれず、防水や下地補修を組み合わせたリフォームが必要になることもあります。

一方で、建物や防水に大きな問題がない場合は、ユニットバス交換や再生塗装・コーティングを組み合わせることで、費用と工期を抑えたリフォームが可能になります。現地調査で状態を確認しながら、最適な工法を選ぶことが大切です。

お風呂リフォームが必要になる症状とタイミング

「どのタイミングでお風呂リフォームを検討すべきか」は、多くの方が悩むポイントです。ここでは、ユニットバスと在来浴室それぞれに多い劣化症状と、法人・個人で注意したいサインを整理します。

ユニットバスに多い劣化症状(変色・ひび割れ・カビ・サビなど)

ユニットバスは防水性に優れた構造ですが、長年使用すると次のような症状が出てきます。

  • 浴槽や床の色あせ・黄ばみ・ザラつき
  • 浴槽表面の細かいキズ・ひび割れ
  • 壁パネル下部のサビ・変色
  • コーキング目地の黒カビ・汚れ
  • 壁パネルの浮き・膨らみ・剥がれ

こうした症状が中心で、構造的な問題がない場合は、浴槽や壁・床の再生塗装やコーティングで見た目と機能を回復できるケースが多くあります。一方、ユニットバス自体が古く、断熱性や清掃性を高めたい場合は、新しいユニットバスへの交換リフォームも選択肢になります。

ひび割れたFRP浴槽
経年劣化でひび割れているFRP浴槽
壁面下部が錆びで膨れているユニットバス
錆で壁面下部が膨れているユニットバス

在来浴室に多い劣化症状(タイル割れ・目地のカビ・漏水リスクなど)

タイル仕上げの在来浴室では、次のような症状がよく見られます。

  • タイルのひび割れ・欠け・浮き
  • 目地の黒カビ・汚れが落ちない
  • 壁や床を押すと「ふわふわ」する感覚がある
  • 浴槽まわりの隙間から水が染み込んでいるように見える
  • 下階の天井にシミが出ている(マンションなど)

タイルや目地の劣化が進むと、防水層を越えて建物内部に水が回り、土台や柱の腐食・漏水トラブルの原因になることがあります。この場合、在来浴室からユニットバスへ入れ替える工事や、下地補修+防水+仕上げ材の変更(パネル・シート・塗装)など、構造面も含めたリフォームを検討する必要があります。

法人施設(ホテル・賃貸・管理物件)が見逃せない空室・稼働率への影響

ホテルや賃貸物件、社宅・寮などの浴室の場合、「見た目の古さ」が稼働率や入居率に直結することも少なくありません。

  • 写真映えしない浴室が原因で、予約サイトの印象が悪くなる
  • 賃貸募集の内見で、浴室の印象だけで敬遠されてしまう
  • カビや黄ばみが口コミ・レビューのマイナス評価につながる

とはいえ、すべての部屋でユニットバスを交換すると、多額の費用と長い営業停止期間が必要になります。そのため、「ユニットバス交換が必要な部屋」と「再生塗装・コーティングで十分な部屋」を分けて考えることが、費用対効果を高めるポイントになります。

実際の施工例
ユニットバス塗装
汚れ、変色がひどいユニットバス
塗装前
汚れや変色が目立つユニットバス
塗装で明るく綺麗になったユニットバス
塗装後
汚れや変色もなく、明るく綺麗に

個人住宅で「そろそろお風呂リフォームを考えるべき」サイン

戸建てやマンションのご家庭では、次のようなサインが複数当てはまる場合、リフォームの検討タイミングといえます。

  • 築15~20年を超え、浴室に不具合が増えてきた
  • 掃除をしても、「汚れた印象」が残るようになってきた
  • 冬場の浴室がとにかく寒く、ヒートショックが心配
  • ご家族の高齢化やケガをきっかけに、段差や滑りが気になり始めた
  • 浴槽のヒビやコーティングの剥がれが目立つ

すべてを交換しなくても、浴槽だけ塗装する・床だけをシートで滑りにくくする・壁をパネルで明るくするといった部分リフォームで、見た目と使い勝手を大きく改善できるケースも多くあります。
交換リフォームと再生塗装・コーティングを比較しながら、ご家族のライフステージに合わせたタイミングで検討していきましょう。

実際の施工例
洗い場床面 バスナフローレ施工
ユニットバスの床
施工前
床タイルの水垢が取れない状況
バスナフローレ施工後
施工後
バスナフローレを上張り施工

ユニットバスを新しいユニットバスに交換するリフォーム

今お使いのユニットバスが古くなってきた場合、「ユニットバスからユニットバスへの交換」はもっとも選ばれやすいリフォーム方法です。
設備を丸ごと新しくできるため、見た目だけでなく、掃除のしやすさや断熱性などもまとめて改善しやすい工法です。

ユニットバス交換リフォームの流れ(解体・配管・組み立て・仕上げ)

ユニットバス交換は、おおまかに次のような流れで進みます。

  • 【現地調査・プラン決定】
    サイズや配管位置、天井高さなどを確認し、交換できるユニットバスのプランを決めます。
  • 【既存ユニットバスの解体・撤去】
    浴槽・壁・床・天井・ドアなど、既存のユニットバスを解体し、廃材を搬出します。
  • 【配管・電気配線のやり替え・調整】
    新しいユニットバスの仕様に合わせて、給排水管や電気配線を調整します。
  • 【新しいユニットバスの組み立て】
    床・浴槽・壁パネル・天井・ドア・設備機器を順番に組み立てていきます。
  • 【コーキング・仕上げ・清掃】
    防水のためのシーリングを行い、動作確認・最終チェック・清掃をして引き渡しとなります。

一般的な戸建て・マンションのユニットバス交換であれば、3~5日の工期は必要ですが、比較的スケジュールが立てやすい工法です。

ユニットバス交換の費用相場と工期の目安

ユニットバス交換の費用は、選ぶグレードやサイズ、オプションによって大きく変わります。ここでは、イメージしやすいようにポイントだけ整理します。

  • 一般的なマンションサイズ(1216・1317など)の交換
  • 一坪タイプ(1616)など広めサイズへの交換
  • 浴室暖房乾燥機・換気設備のグレードアップの有無
  • 追い焚き配管、窓の有無、段差解消などの追加工事

工期の目安は、解体から引き渡しまでおおよそ3〜5日程度が一つの目安です。ホテルや賃貸物件で複数室をまとめて工事する場合は、工期の組み方で稼働への影響が変わるため、事前の工程管理が重要になります。

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項目目安
工事内容既存ユニットバス解体+新規ユニットバス設置
工期約3〜5日(状況により前後)
費用の考え方本体価格+オプション+解体・配管・施工費などの合計で決まる
工事費込みで約80〜150万円前後になるケースが多い

グレード・サイズ・オプション別の費用イメージ

ユニットバス本体には、ベーシックモデルからハイグレードモデルまで複数のグレードがあります。同じサイズでも、次のような要素で費用が変わります。

  • 浴槽の素材(FRP・人工大理石など)
  • 壁パネルのデザイン・アクセントパネルの有無
  • 床材のグレード(乾きやすさ・滑りにくさなど)
  • 浴室暖房乾燥機・換気扇の機能
  • 収納・鏡・照明などのオプション
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タイプ特徴向いているケース
ベーシックグレード必要な機能をシンプルに備えたシリーズ賃貸物件・社宅・寮など、コスパ重視の物件
中間グレード汚れにくさ・掃除のしやすさが向上したモデル戸建て・分譲マンションなど、長く使いたい住宅
ハイグレード浴槽形状・保温・デザイン性などが高いモデルホテル・高級賃貸・こだわりの戸建てなど

「とにかく見た目を一新したい」「水まわりのリフォームはしばらくやりたくない」といった場合は、ある程度グレードを上げておくと満足度が高くなります。
一方、賃貸物件などでは、家賃やターゲット層に合わせてグレードを調整することが費用対効果の面で重要です。

ユニットバス交換が向いているケースと注意したいデメリット

ユニットバス交換は、多くのケースで第一候補になる工法ですが、メリットとあわせて注意点も押さえておきましょう。

ユニットバス交換が向いているケース

  • 築年数が進み、設備全体の老朽化が進んでいる
  • 断熱性を高めて冬場の寒さを改善したい
  • 掃除のしやすさを重視して、新しい機能を取り入れたい
  • これを機にデザインやサイズも見直したい

注意したいポイント

  • 解体と新設が必要なため、ある程度の工期がかかる
  • 部材費+工事費の合計で、費用負担が大きくなりやすい
  • マンションでは管理規約や配管位置の制約を受けることがある
  • 営業中のホテル・賃貸物件では、稼働への影響が避けられない場合がある

「すべて交換するほどではないが、見た目の古さや汚れが気になる」という場合は、浴槽や壁・床の再生塗装・コーティングを組み合わせることで、費用と工期を抑えつつ印象を大きく変える選択肢も検討してみる価値があります。

在来浴室からユニットバスへリフォームする方法

タイル貼りの在来浴室をお使いの場合、「寒い」「滑りやすい」「掃除が大変」といったお悩みから、ユニットバスへの入れ替えを検討されるケースが多くあります。
ここでは、在来浴室からユニットバスへリフォームする流れと、押さえておきたいポイントを解説します。

在来浴室からユニットバスに変更する工事の手順

在来浴室からユニットバスへの工事は、ユニットバス交換と比べて解体範囲が広くなります。一般的な流れは次のとおりです。

  • 【現地調査・プラン決定】
    浴室の寸法・天井高さ・出入口位置・配管位置などを採寸し、設置可能なユニットバスのサイズとプランを決定します。
  • 【在来浴室の解体】
    浴槽・タイル・モルタル・天井などを解体し、必要に応じて土間コンクリートまで撤去します。
  • 【配管・電気・下地の調整】
    給排水管・電気配線・換気ダクトなどを新しいレイアウトに合わせてやり替えます。
  • 【土間の打設・架台の設置】
    ユニットバスを水平に設置するための土間コンクリートや架台をつくります。
  • 【ユニットバスの組み立て】
    床・浴槽・壁・天井・ドア・設備機器を組み立て、防水・コーキングを行います。
  • 【仕上げ工事】
    出入口まわりの壁・床の仕上げや、窓まわりの補修などを行い、最終チェックをして完了です。

在来浴室の状態によっては、土台や柱の補強、防水工事が必要になることもあります。その場合、工期や費用が変動するため、事前の調査と説明が重要です。

在来浴室からユニットバスへのリフォーム費用相場と工期

在来浴室からユニットバスへのリフォームは、解体範囲や下地補修が増えるぶん、ユニットバス交換よりも費用帯が一段高くなりやすく、一般的には約100〜200万円前後が一つの目安となり、工事のボリュームも大きくなるため、そのぶん工期もやや長くなるのが一般的です。

  • 解体範囲が広い(タイル・モルタルの撤去など)
  • 土間コンクリートや下地補修が必要になる場合がある
  • 配管の位置変更や電気工事が増えることがある
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項目目安
工事内容在来浴室解体+ユニットバス新設
工期約5〜7日程度(状況により前後)
費用の考え方ユニットバス本体+解体・土間・配管・電気・仕上げ工事などの合計

工期中はお風呂が使えない期間が発生するため、ご家庭では銭湯・近隣入浴施設の利用ホテルや賃貸物件では工事部屋の稼働調整など、事前のスケジュール調整が欠かせません。

間取り制約・配管・段差など事前に確認したいポイント

在来浴室からユニットバスへのリフォームでは、次のような条件によって選べるサイズや仕様が変わります。

  • 浴室まわりの柱・梁の位置
  • 給排水管の立ち上がり位置・勾配
  • 天井高さ・梁の出っ張り
  • 入口の位置や建具の種類
  • 窓の位置・サイズ

これらの制約により、希望していたサイズのユニットバスが入らないケースもあります。その場合は、ひと回り小さいサイズを選ぶ、レイアウトを工夫するなどの調整が必要です。

また、在来浴室は床の段差が大きいことも多いため、ユニットバス化を機に段差を軽減し、出入りの安全性を高める(バリアフリー化)リフォームもよく行われます。

在来浴室からユニットバスへのリフォームが向いているケース

在来浴室からユニットバスへのリフォームは、次のようなニーズに特に向いています。

  • タイルの冷たさ・掃除の大変さを一気に解消したい
  • ヒートショック対策として、浴室の断熱性を高めたい
  • ご高齢のご家族のために、段差解消や手すり設置をしたい
  • 築年数が経ち、防水や下地の劣化が心配になってきた

一方で、「そこまで大規模な工事は避けたい」「工期と費用をもっと抑えたい」という場合は、在来浴室のまま、浴槽・タイル・床を再生塗装やパネル・シートでリフォームする方法も検討できます。次の章では、在来浴室のまま行うお風呂リフォームの選択肢について整理していきます。

在来浴室のまま行うお風呂リフォームの選択肢

在来浴室は、「すべてを解体してユニットバスに入れ替える」だけでなく、今の浴室を活かしながら部分的にリフォームする方法も選べます。
浴槽だけ・壁だけ・床だけなど、必要なところにだけ手を入れることで、費用を抑えつつお風呂の印象を大きく変えることができます。

浴槽だけ交換・浴槽だけ塗装する部分リフォームのパターン

在来浴室のリフォームでよくあるのが、「浴槽まわりだけ何とかしたい」というご相談です。主な選択肢は次のとおりです。

  • 浴槽を新しい浴槽に交換する
  • 既存の浴槽を塗装・コーティングで再生する
  • 既存浴槽の上に専用ライナーをかぶせる(二重浴槽)

とくに、ホーローやステンレス、FRP、人工大理石などの浴槽は、専用塗料と下地処理による浴槽塗装・コーティングで見た目を大きく改善しやすいのが特徴です。

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工法特徴ポイント
浴槽交換古い浴槽を撤去し、新しい浴槽に交換浴槽まわりの配管調整や防水処理、周辺タイルの補修が必要になるケースが多く、工事規模が大きくなりやすい
浴槽塗装・コーティング既存浴槽を専用塗料で再生工期が短く、コストを抑えながらツヤと防汚性を改善しやすい
ライナー工法既存浴槽の内側に新しい浴槽をかぶせる対応できる業者や施工例が少なく、浴槽の形状や地域によってはそもそも選択肢に入らないケースが多い

目安としては、浴槽のみの塗装・コーティングなら8〜12万円程度、浴槽+壁・床など浴室全体を組み合わせた場合でも15〜20万円台が中心となることが多く、ユニットバスへの入れ替えと比べて費用を抑えやすい傾向があります。

「浴槽のヒビや汚れが気になるが、在来浴室全体を解体する余裕はない」という場合は、浴槽塗装・コーティングによる再生リフォームが、費用と工期のバランスに優れた選択肢になります。

壁・床・天井をパネルやシート・塗装でリフォームする方法

在来浴室の印象を大きく変えるもう一つの方法が、壁や床、天井の仕上げを変えるリフォームです。主な工法は次のとおりです。

  • 壁:浴室用パネル貼り
  • 床:浴室用シート貼り・防滑性のある床材への変更
  • 天井:浴室用パネル貼り

タイルの上から直接施工できる材料も多く、解体を最小限に抑えながら、明るさ・清掃性・安全性を高めることができます。

パネル・シート工法のメリット

  • 既存タイルをすべて撤去しなくても施工できる
  • 目地が減るため、カビや汚れが付きにくくなる
  • カラーやデザインを変えてイメージチェンジしやすい

塗装・コーティングのメリット

  • 工期が比較的短い
  • タイルの風合いを活かしつつ、汚れにくさをプラスできる
  • 部分的な補修にも対応しやすい

在来浴室のままでも、「浴槽塗装+壁パネル+床シート」など、複数の工法を組み合わせることで、ユニットバスのような明るく清潔感のある空間に近づけることが可能です。

実際の施工例
在来浴室の再生リフォーム
在来浴室
施工前
汚れはそれほどでもないが、色使いが少し古っぽい
パネル・シートでリフォームした在来浴室
施工後
腰上は白のパネル、腰下は木目調のパネル
床は浴室床用シートを施工

在来浴室のままリフォームする場合の費用相場と工期の考え方

在来浴室を活かしたリフォームは、「どこまで手を入れるか」で費用も工期も大きく変わるのがポイントです。

  • 浴槽だけ塗装するのか
  • 壁と床も一緒に仕上げを変えるのか
  • 防水や下地補修も必要なのか

目安としては、ユニットバスへの入れ替えよりも、解体と新設のボリュームが小さくなる分、費用を抑えられるケースが多いと考えてよいでしょう。

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リフォーム内容工期イメージポイント
浴槽のみ塗装・コーティング1〜2日程度短期で完了しやすく、費用も比較的抑えやすい
浴槽+壁・床の仕上げ変更2〜3日程度見た目の印象が大きく変わる、ユニットバスに近い雰囲気に
防水・下地補修を含む工事状況により変動構造の状態によって工期・費用が変わるため要現地調査

在来浴室のままリフォームする場合は、「どの部分を残して、どこを新しくするか」を整理したうえで、複数のプランを比較することが大切です。

タイルの冷たさ・滑り・カビを軽減するリフォームアイデア

在来浴室ならではのお悩みとして多いのが、「タイルの冷たさ」「滑りやすさ」「目地のカビ」です。これらは、工法を工夫することで軽減しやすくなります。

  • 床を浴室用シートに変えて、クッション性と防滑性を高める
  • 壁のタイル部分をパネルで覆い、目地の露出を減らして掃除をラクにする
  • 防カビ性能のある塗料やコーキング材で、カビが生えにくい環境にする

「在来浴室だから寒い・滑る・カビる」はある程度仕方がない…とあきらめてしまいがちですが、素材選びと表面仕上げを工夫することで、浴室の快適性と安全性を大きく改善できるケースは少なくありません。

次の章では、ここまで紹介してきた「ユニットバス交換」「在来浴室からユニットバス」「在来浴室のまま再生リフォーム」の3つの工法を、費用や工期の観点から比較していきます。

3つのお風呂リフォーム工法を比較|交換・入れ替え・再生リフォーム

ここまで、ユニットバス交換、在来浴室からユニットバスへのリフォーム、在来浴室のまま行う部分リフォーム・再生塗装について見てきました。この章では、それぞれの工法をまとめて比較し、「自分(自社)の物件にはどの工法が合うのか」をイメージしやすく整理します。

ユニットバス交換・在来浴室リフォーム・再生塗装の費用比較

実際の見積もりは浴室の広さや劣化状態、選ぶグレードによって変わりますが、一般的な戸建て・マンションの0.75〜1坪クラス(1216〜1616サイズ)を想定した費用帯のイメージは次のようになります。

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工法主な内容費用帯の目安(税別・工事費込み)
ユニットバス交換既存ユニットバスを解体し、新しいユニットバスに入れ替え約80〜150万円前後
(サイズ・グレード・オプションにより増減)
在来浴室→ユニットバスタイル風呂を解体し、ユニットバスを新設約100〜200万円前後
(解体範囲・下地補修・防水工事の有無で変動)
在来浴室の再生塗装・部分リフォーム浴槽塗装・壁パネル・床シートなどで既存浴室を再生浴槽のみ塗装:8〜12万円程度
浴室全体の塗装:15〜20万円台が中心
+パネル・シート併用で内容に応じて加算

大まかな傾向としては、解体と新設の範囲が広いほど費用は高くなりやすく、既存の浴室・浴槽を活かす再生塗装・コーティングほど費用を抑えやすいと考えてよいでしょう。交換リフォームと比べると、浴室塗装はおおむね「1/3〜1/5程度の予算」で見た目を大きく改善できるケースが多くなります。

工期・営業停止リスク・生活への影響を比べる

法人・個人を問わず、工期と生活(営業)への影響は大きな判断材料です。それぞれの工法の工期イメージと影響度を比較してみましょう。

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工法工期の目安生活・営業への影響
ユニットバス交換約3〜5日お風呂が使えない期間が数日、ホテル・賃貸では部屋クローズが必要
在来→ユニットバス約5〜7日やや長めの工期、工事音・搬出入などの配慮が必要
再生塗装・部分リフォーム1〜3日程度(内容による)短期で完了しやすく、部屋を止める期間を抑えやすい

ホテルや賃貸物件などの法人施設では、「1室あたりの工期」と「同時に止める部屋数」をどう設計するかが、売上への影響を最小限に抑えるカギになります。再生塗装・コーティングは、工期を短くしやすい工法として、こうしたニーズとの相性が良いのも特徴です。

仕上がり・デザイン性・メンテナンス性の違い

見た目やお掃除のしやすさなど、仕上がりの違いも工法選びの大切なポイントです。

  • ユニットバス交換:
    最新モデルを選べば、汚れにくい材質・断熱浴槽・節水シャワーなど、機能面が充実しやすいのが魅力です。
  • 在来→ユニットバス:
    同上+タイルのヒンヤリ感や目地掃除から解放されるメリットがあります。
  • 再生塗装・コーティング:
    ツヤ感や色味を変えて「新品に近い見た目」を目指せますが、ベースとなる下地の状態に仕上がりが左右されるため、事前診断が重要です。

メンテナンス性だけで見ると、新しいユニットバス>在来浴室+パネル・シート>在来浴室+塗装のみといったイメージになりますが、費用や工期とのバランスを取りながら検討することが大切です。

法人向け・個人向けで優先したいポイントの整理

最後に、法人と個人で重視しやすいポイントを簡単に整理しておきます。

法人(ホテル・賃貸・管理会社など)

  • 工期と営業停止期間をどこまで短縮できるか
  • 投資額に対して、どの程度グレードアップ・稼働率アップが見込めるか
  • 全室を一度に交換すべきか、再生塗装と組み合わせて段階的に改善するか

個人(戸建て・マンション)

  • 家族構成や今後のライフプランに合った耐用年数か
  • 無理のない予算で、どこまで快適性・安全性を高められるか
  • 浴槽・壁・床など、どこを優先してリフォームすべきか

このあと、さらに「交換だけではない選択肢」としての再生塗装・コーティングについて、具体的なメリットや向き・不向きのケースを詳しく見ていきます。

交換だけではない選択肢|再生塗装・コーティングによるお風呂リフォーム

一般的なお風呂リフォームでは、ユニットバス交換で約80〜150万円前後、在来浴室からユニットバスへの入れ替えでは約100〜200万円前後かかるケースも少なくありません。一方で、既存の浴室・浴槽を活かしながら塗装やコーティングで再生する工法なら、その一部の費用で見た目と機能を改善できる可能性があります。

この章では、「交換しなくてもできるお風呂リフォーム」として、浴室・浴槽の再生塗装・コーティングにフォーカスし、特徴やメリット、向いているケースを詳しく解説します。

再生塗装・コーティングによる浴室リフォームとは?

再生塗装・コーティングとは、既存のユニットバスや在来浴室の浴槽・壁・床などの表面を、専用の下地処理と塗料でコーティングし直すことで、見た目と機能を再生する工法です。設備を解体・交換せずに施工できるため、

  • 解体費や新規設備費を抑えられる
  • 工期が短く、お風呂が使えない期間を短縮しやすい
  • ツヤや色味を変えて、見た目を大きくイメージチェンジできる

といった特徴があります。

ユニットバス交換や在来浴室からユニットバスへの入れ替えでは、内容によって80〜200万円前後の費用がかかるのに対して、浴室塗装・浴槽塗装であれば、内容によってはその10分の1程度の費用で済むケースもあるため、「できるだけコストを抑えたい」「交換ほど大掛かりな工事は避けたい」という方にとって、有力な選択肢となります。

ユニットバスを再生塗装・コーティングするメリットと特徴

ユニットバスはもともと防水性に優れた一体構造のため、表面の劣化が中心であれば、再生塗装・コーティングとの相性が非常に良い浴室です。

  • 浴槽や壁・床の黄ばみ・色あせ・キズをまとめてカバーできる
  • ユニットバス本体を解体・撤去しないため、工期を短くしやすい
  • 目地の少ない構造を活かして、塗装後のお手入れも比較的しやすい
  • ホテル・賃貸物件などでは、稼働を止める日数を抑えながら印象を改善できる

ユニットバス交換と比べると、設備そのものを最新機種に入れ替えることはできませんが、「まだ使えるけれど見た目が古い」「数年〜十年程度は今のユニットを活かしたい」といったケースでは、費用対効果の高いリフォーム方法になります。

在来浴室(タイル風呂)を塗装・パネル・床シートで再生する方法

在来浴室の場合は、浴槽塗装・タイル塗装・壁パネル・床シートなど、複数の工法を組み合わせて再生していくイメージになります。

  • 浴槽:専用塗料やコーティングで、ツヤと防汚性を回復
  • 壁:タイルの上から浴室用パネルを貼る、もしくは特殊なタイル塗装を行う
  • 床:クッション性と防滑性のある浴室用シートを重ね張りする(バスナシリーズ等)

これらを組み合わせることで、タイルのヒンヤリ感・目地のカビ・掃除のしにくさといった在来浴室ならではの悩みを軽減しつつ、ユニットバスに近い印象の空間へ近づけることができます。

構造的な傷みや防水層の劣化が大きい場合は別途補修が必要になりますが、「見た目・掃除・安全性を中心に改善したい」という在来浴室には、塗装・パネル・シートを活用した再生リフォームが有効です。

実際の施工例
塗装とシートのハイブリッド施工
緑色の浴槽が古めかしく、目地の汚れが目立つ在来浴室
施工前
目地の汚れが目立つ
浴槽と壁タイルは真っ白に塗装、床はバスナフローレを張って生まれ変わった在来浴室
施工後
浴槽と壁タイルは白で塗装
床はバスナフローレを上張り

浴槽のみ塗装・コーティングするリフォームパターン

「壁や床はまだ比較的きれいだが、浴槽だけがどうしても気になる」というケースも多く、その場合は浴槽のみを対象にした再生塗装・コーティングが検討できます。

  • ホーロー・ステンレス・FRP・人工大理石など、さまざまな素材に対応可能
  • 交換せずに再生するため、廃材の量を抑えられる
  • 工期が短く、最短1日程度〜数日で完了するケースもある

浴槽のみの塗装・コーティングなら、10万円前後のご予算感から検討できるケースが多く、浴室全体の交換リフォームと比べると、かなり負担を抑えられます。

たとえば、ビューティーメイクでは浴槽塗装を7万9千円台〜からご案内しており、「浴槽だけ何とかしたい」というニーズに特化したメニューもご用意しています。まずは浴槽単体での再生を行い、将来的なユニットバス交換や在来浴室全体のリフォームは別タイミングで検討する、といった段階的な計画も立てやすくなります。

実際の施工例
ご予算に合わせて、浴槽だけ塗装
色褪せ、変色しているFRP浴槽
施工前
色褪せ、変色が目立ちます
明るいアイボリーで塗装したFRP浴槽
施工後
明るいアイボリーで塗装
気になる箇所のみ、低コストでリフォーム

再生塗装とユニットバス交換の費用・工期・仕上がり比較

最後に、ユニットバス交換浴室の再生塗装・コーティングを、費用・工期・仕上がりのイメージで比較してみます。

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項目ユニットバス交換・在来→ユニット浴室・浴槽の再生塗装・コーティング
費用帯のイメージユニットバス交換で約80〜150万円前後、
在来浴室からユニットバスへの入れ替えで
約100〜200万円前後が目安
浴槽のみ塗装:10万円前後〜
浴室全体の塗装・部分リフォームでも、
交換リフォームと比べて
約1/3〜1/5程度の予算に収まるケースが多い
工期解体〜完了まで約1週間前後が目安浴槽のみなら最短1日〜数日程度で完了しやすい
仕上がり設備・機能・デザインをまるごと最新仕様に更新既存設備を活かしつつ、色・ツヤ・清掃性を向上
向いているケース・長期的に見て浴室を一新したい
・断熱性やバリアフリー性能も高めたい
・築年数が進み、下地・防水まで不安がある
・費用をできるだけ抑えたい
・工期を短く済ませたい(法人・個人とも)
・まだ使える設備を活かしながら見た目を整えたい

もちろん、どちらが正解というわけではなく、「いつまで」「どのくらいの予算で」「どのレベルまで改善したいか」によって、最適な工法は変わります。次の章では、再生塗装・コーティングがお得になるケースと、逆に交換リフォームを優先したほうが良いケースについて、もう少し踏み込んで見ていきます。

再生塗装・コーティングがお得になるケースと向かないケース

再生塗装・コーティングは、費用を抑えながらお風呂をきれいにできる有力な選択肢ですが、どんな浴室にも万能というわけではありません。
「交換するべきケース」と「再生で十分なケース」を見極めることで、ムダな費用をかけずに最適なリフォーム計画を立てやすくなります。

ホテル・賃貸物件・管理会社で再生塗装が選ばれる理由

法人が管理する浴室では、「一室あたりの投資額」と「稼働率・入居率への影響」がとても重要です。そのため、次のような理由から再生塗装・コーティングが選ばれるケースが増えています。

  • ユニットバスを交換すると、1室あたりの投資が大きくなり過ぎる
  • 全室を一度に交換するのは現実的ではないが、見た目は早く整えたい
  • 予約サイトや募集図面の写真映えを、できるだけ短期間で改善したい
  • 営業停止期間や空室期間を最小限に抑えたい

再生塗装・コーティングであれば、工期が短く、1室ごとの投資額も抑えやすいため、

  • 「稼働率を下げずに順番に改善していく」
  • 「退去時の原状回復+グレードアップを同時に行う」

といった柔軟な運用がしやすくなります。特に、浴槽や壁・床の黄ばみ・キズ・カビなど、見た目の古さが理由で評価が下がっている場合には、再生塗装のコストパフォーマンスが発揮されやすいです。

個人住宅で再生塗装を選ぶときの判断基準

戸建てやマンションなど、個人のご自宅の場合は、「これから何年住むか」「どこまで手を入れたいか」を基準に考えると判断しやすくなります。

  • あと数年〜10年程度は今の家に住む予定
  • 浴槽やユニットバスはまだ使えるが、見た目の古さが気になってきた
  • できれば予算を抑えつつ、来客時にも気にならないレベルには整えたい
  • 子どもの独立や住み替えなど、大きなライフイベントが控えている

このような場合、「今すぐ高額な交換リフォームをするより、再生塗装でいったん整える」という選択肢も現実的です。

一方、次のような条件に当てはまる場合は、交換リフォームも含めて検討したほうがよいケースといえます。

  • これから20年以上住む予定で、水まわりを一新したい
  • 断熱性やバリアフリー性能など、設備そのもののグレードアップを重視している
  • 浴室以外の水まわり(キッチン・洗面所など)もまとめてリフォームする予定がある

「今、何年目なのか」「あと何年くらい使うつもりなのか」を意識すると、再生塗装で十分か、交換まで踏み込むべきかが見えやすくなります。

再生塗装では対応しにくい劣化・構造不良の例

再生塗装・コーティングはあくまでも表面を美しく・使いやすく整える工法ですが、下地補修や防水処理と組み合わせることで対応できるケースと、そもそも塗装だけでは解決できないケースがあります。大まかに次のように分けて考えると分かりやすくなります。

補修+再生塗装で対応できる可能性がある症状

  • 浴槽の表面に入ったヒビ、完全に割れているヒビ、穴があいている
    • FRPライニング(ガラス繊維とポリエステル樹脂を使用した補修方法)と塗装で補修可能
  • 床の強度がなくなり「フカフカ」している
    • 下地の補強、FRP防水・補強と塗装もしくは浴室床用シートで補修可能
  • 壁面のサビ
    • サビ処理後、パネルを上張りする事で補修可能
  • タイルの欠けや目地の劣化
    • 補修後、タイル用プライマーと塗装で補修可能

このような場合は、下地補修・防錆処理・防水処理などをきちんと行ったうえで、再生塗装・コーティングを組み合わせることで、見た目と機能の両方を改善できる可能性があります。実際に、浴槽のひび割れ補修+塗装、床の下地補強+塗装・シート仕上げ、壁のサビ補修+塗装といった形で対応するケースも少なくありません。

実際の施工例
漏水補修の為開口したユニットバス床面の穴埋めと防水、シート施工
施工前
配管の修理のため開口されている
施工中
開口部を補強して、FRP防水
施工後
バスナリアルデザインを張って工事完了

再生塗装だけでは対応が難しい症状・構造不良

  • 床やタイル全体が大きく沈み込むなど、下地自体が広範囲で傷んでいる
  • タイルのひび割れや欠けが広範囲にあり、下地まで水が回っている可能性が高い
  • 下階天井に明確な漏水跡があるなど、構造的な水漏れが疑われる状態
  • 給排水管そのもののサビ・腐食が進行している
  • 浴槽自体が大きく変形している、構造クラックが入っている

このようなケースでは、下地補修・防水工事・配管のやり替えなど、構造部分を含めた工事が必要になることも多く、再生塗装だけで完結させるのはリスクがあります。塗装で表面をきれいにしても、内部の漏水や配管の腐食といった問題は解決しないため、別途、大工工事や防水工事・設備工事が必要になる前提で計画を立てる必要があります。

そのため、「表面の汚れ・黄ばみ・キズが主な悩みなのか」「構造的なトラブルの予兆がないか」を、現地調査でしっかり見極めたうえで工法を選ぶことが大切です。補修+再生塗装で対応できる部分なのか、それとも交換や本格的な防水・配管工事を優先すべきなのかを、専門業者と相談しながら判断していきましょう。

ユニットバス交換と再生塗装を組み合わせるハイブリッドリフォーム

「すべて交換するには予算が足りない」「一部だけ先にきれいにしたい」という場合には、ユニットバス交換と再生塗装を組み合わせたハイブリッドな考え方も有効です。

  • 客室や人気の高い部屋タイプから順番にユニットバス交換を行う
  • その他の部屋は、当面は浴槽・壁・床の再生塗装・コーティングで印象を整える
  • 個人宅では、将来的な住み替えや建て替えの時期を見据えて、まずは浴槽だけ塗装する

このように、「全部交換」か「全部塗装」かの二択ではなく、物件や予算に合わせて段階的に組み合わせることで、投資のメリハリをつけることができます。

次の章では、こうした選択肢を踏まえながら、お風呂リフォーム全体の予算の考え方や、見積もりの見方について整理していきます。

お風呂リフォームの予算と見積もりの考え方

ユニットバス交換、在来浴室からユニットバスへのリフォーム、再生塗装・コーティング…。どの工法を選ぶにしても、気になるのは「結局いくらぐらいかかるのか」「見積もりのどこを見ればよいのか」という点ではないでしょうか。

ここでは、お風呂リフォームの費用の内訳と、工法ごとの費用イメージ、法人・個人それぞれが押さえておきたい予算の考え方を整理します。

リフォーム費用の内訳(解体費・本体費用・工事費・諸経費)

お風呂リフォームの見積書には、一般的に次のような項目が含まれています。

  • 既存浴室の解体・撤去費
  • 新しいユニットバス本体・浴槽・材料費
  • 配管・電気・下地・防水などの工事費
  • 搬入・搬出費・養生費・産廃処分費
  • 諸経費(現場管理費・交通費など)

ユニットバス交換や在来→ユニットバスの工事では、「本体代+解体・工事費」が大きな割合を占めます。一方、再生塗装・コーティングの場合は、解体や新規設備が少ない分、材料費と施工手間が中心となり、総額を抑えやすいのが特徴です。

見積もりを比較する際は、「本体価格だけでなく、解体・下地・防水・処分費などを含めた総額」で比較することが重要です。

ユニットバス交換・在来浴室リフォーム・再生塗装の費用イメージ

これまでの内容を踏まえて、工法ごとの費用イメージをあらためて整理します。一般的な0.75〜1坪クラスの浴室を想定した、あくまで目安のイメージです。

スクロールできます
工法内容費用イメージ
ユニットバス交換既存ユニットバスを解体し、新しいユニットバスに交換約80〜150万円前後(サイズ・グレード・オプションにより変動)
在来浴室→ユニットバスタイル風呂を解体し、ユニットバスを新設約100〜200万円前後(解体範囲・下地補修・防水の有無で変動)
浴室・浴槽の再生塗装・部分リフォーム浴槽塗装・浴室塗装・壁パネル・床シートなど浴槽のみ塗装・コーティング:10万円前後〜
浴室全体の塗装・部分リフォーム:
内容により幅があるが、交換リフォームの
約20~30%程度に収まるケースが多い

大切なのは、「いま必要なリフォームのレベル」と「用意できる予算」とのバランスです。すべてを最新設備にするのがベストとは限らず、再生塗装・コーティングを上手に組み合わせることで、総予算を抑えながら満足度の高いプランを組むことも十分可能です。

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法人が押さえたい投資回収と家賃アップ・稼働率への影響

ホテル・賃貸物件・管理会社などの法人にとって、お風呂リフォームは「コスト」ではなく「投資」という側面が大きくなります。特に次のポイントを意識しておくと、判断しやすくなります。

  • 1室あたりの投資額と、家賃アップ・宿泊単価アップのバランス
  • リフォーム後に期待できる入居率・稼働率の変化
  • 工事期間中の空室・休業による機会損失
  • 将来の大規模修繕とのタイミング調整

たとえば、全室を一度にユニットバス交換するプランと、再生塗装で一旦印象を整えつつ、順次交換していくプランでは、初期投資も回収スピードも大きく変わります。

「今すぐフルリフォームすべきか」「まずは再生塗装でどこまで改善できるか」を比較し、キャッシュフローと稼働率をふまえた中長期の計画を立てることが重要です。

個人が押さえたいライフプランとコスパのバランス

個人のご家庭の場合は、ライフプランに応じて、どこまでリフォームするかを考えることがポイントです。

  • 子どもが独立するタイミングまで、あと何年あるか
  • 将来的に住み替え・建て替えの可能性があるか
  • 今後の収入や教育費など、家計全体の見通し

「あと数年はこの家で暮らすが、長期的には住み替えも検討している」という場合、今すぐ高額な交換リフォームをするより、再生塗装・部分リフォームで現実的な範囲まで整えるという判断も十分合理的です。

逆に、「この家で長く暮らしていく」「高齢期を見据えて安全性も重視したい」という場合は、ユニットバス交換や在来→ユニットバスへのリフォームで、断熱性・バリアフリー性能まで含めて整えておく価値があります。

このあと、お風呂リフォームの費用をさらに抑える具体的なコツや、再生塗装・コーティングで失敗しないためのチェックポイントについても見ていきます。

お風呂リフォームの費用を抑える具体的なコツ

同じお風呂リフォームでも、工法の選び方・仕様の決め方・公的制度の活用によって、総額には大きな差が出ます。「安さだけを追いかけて失敗する」のではなく、必要なところには投資して、抑えられるところはきちんと抑えることがポイントです。

補助金・助成金・減税制度を活用してお得にリフォームする

浴室リフォームの内容によっては、国や自治体の補助金・助成金、減税制度の対象になるケースもあります。代表的な例としては、次のようなものがあります。

  • バリアフリー改修(手すり設置・段差解消・出入口の拡張など)
  • 省エネ設備の導入(高断熱浴槽・節湯水栓など)
  • 住宅の性能向上リフォームとセットで行う浴室改修

対象となる工事内容や補助額、受付期間は制度によって異なるため、事前に自治体の窓口や公式サイトで最新情報を確認し、必要な書類を揃えてから着工することが大切です。

「どうせうちは対象外だろう」と決めつけずに、まずはバリアフリーや省エネに関係する工事が含まれていないかをチェックしておくと、思わぬところで費用負担を軽減できる場合があります。

オプション機能とグレードを見直して無駄なコストを削減する

ユニットバスを交換する場合、カタログを見ているとついあれこれオプションを付けたくなりますが、すべてを盛り込むと予算オーバーになりやすいのも事実です。そこでおすすめなのが、

  • 「絶対に欲しい機能」と「あると嬉しい機能」を分けて考える
  • グレードを一段落として、その分を他の部分リフォームに回す

といった、メリハリをつけた仕様決めです。

  • 毎日使うシャワーやカウンターは機能性を重視する
  • デザイン性の高いアクセントパネルは、必要な面だけに採用する
  • 収納は後付けの小物で代用できる部分もある

このように、「本当に必要なオプションかどうか」を一つひとつ確認することで、総額を数十万円単位で抑えられるケースもあります。

予算から逆算して「交換」と「部分リフォーム」を組み合わせる方法

限られた予算の中で最大限の効果を出すには、「全部交換」か「全部再生」かの二択ではなく、組み合わせて考えるのも有効です。

  • ユニットバス本体はベーシックグレードに抑えつつ、見た目の印象に直結する壁・床に重点投資する
  • 浴室全体の交換は行わず、浴槽塗装+床シート+天井・壁パネルで印象を大きく変える
  • 今は浴槽のみ塗装して、数年後にユニットバス交換を行う前提で段階的に投資する

このように、「今すぐ必要な部分」と「将来でもよい部分」を分けて考えることで、予算の中で優先順位の高いところから計画的にリフォームを進めることができます。

再生塗装・コーティングを活用して費用対効果を高める考え方

再生塗装・コーティングは、工事のボリュームを抑えながら見た目と使い勝手を改善できるため、「費用対効果」という観点で非常に優れた工法です。

  • ユニットバス交換と比べて、20~30%程度の予算で済むことが多い
  • 工期が短いため、ホテルや賃貸物件での機会損失を抑えやすい
  • 廃材が少なく、環境負荷の面でもメリットがある

特に、「築年数的にはそろそろ交換時期だが、今すぐ全交換は難しい」というタイミングでは、再生塗装を挟むことで、設備の寿命を延ばしながら投資のピークを後ろにずらすことができます。

このあと、再生塗装・コーティングを選ぶ際に、事前に必ず確認しておきたいポイントについて詳しく見ていきます。

再生塗装・コーティングで失敗しないためのチェックポイント

再生塗装・コーティングは、正しい診断と適切な施工ができれば非常に効果的な工法ですが、素材の見極めや下地処理、塗料選びを誤ると、早期の剥がれやトラブルにつながるリスクもあります。ここでは、依頼前に押さえておきたいチェックポイントを整理します。

施工可能なユニットバス・在来浴室・浴槽の素材を確認する

まず大前提として、今お使いの浴槽・壁・床の素材に対して、塗装やコーティングが適切に施工できるかどうかを確認する必要があります。

  • ユニットバスの浴槽:FRP、人工大理石など
  • 在来浴室の浴槽:ホーロー、ステンレス、FRP、人工大理石など
  • 天井:バスリブ、樹脂パネル
  • 壁・床:タイル、モルタル、樹脂パネルなど

素材によって、必要な下地処理や使用できる塗料の種類が変わるため、「どの素材にどの塗料で施工するのか」を具体的に説明してくれる業者かどうかが重要です。

「どんな浴槽でも塗装できます」といった抽象的な説明ではなく、現地調査で素材を確認したうえで、施工可否と理由を丁寧に説明してくれるかどうかをチェックしましょう。

塗料の種類・コーティングの性能と耐用年数の目安

浴室塗装に使用される塗料やコーティング材は、下地との相性・耐水性・耐薬品性・耐久年数などが製品によって異なります。

  • どの種類の塗料(樹脂)を使うのか
  • どのような密着プライマーを組み合わせるのか
  • 一般的な使用条件で、どの程度の耐用年数を想定しているのか

これらを確認したうえで、「どのくらいの期間、どんな使い方を想定しているのか」をすり合わせておくことが大切です。過度に長い耐用年数だけを強調する説明には注意し、日常的なお手入れや使用状況によって変動する前提もきちんと説明してもらいましょう。

保証期間・アフターサービス内容を事前にチェックする

再生塗装・コーティングは、施工直後の見た目がきれいでも、時間の経過とともに本当の差が出る工法です。そのため、保証内容やアフターサービスは必ず事前に確認しておきましょう。

  • 保証期間は何年か、その範囲はどこまでか
  • 万が一、短期間で剥がれや不具合が出た場合の対応
  • 定期点検やメンテナンスの有無

「施工して終わり」ではなく、不具合が発生した際の連絡窓口や対応フローが明確かどうかも、業者選びの重要なポイントです。

法人・個人それぞれのスケジュールと工期の組み立て方

再生塗装・コーティングは工期を短くしやすいものの、塗料の乾燥・硬化時間はどうしても必要です。スケジュールを組む際は、次の点に注意しましょう。

法人(ホテル・賃貸など)の場合

  • 繁忙期と閑散期を踏まえた工事時期の選定
  • 1日あたりに施工する室数と稼働への影響
  • 客室清掃や他工事との工程調整

個人(戸建て・マンション)の場合

  • お風呂が使えない日数と代替手段の確認
  • 家族の予定(出張・旅行・帰省など)との調整
  • 在宅が必要な時間帯の有無

事前に「工事日数」だけでなく、実際にお風呂を使えない期間や注意点まで具体的に説明してくれる業者を選ぶことで、安心して工事当日を迎えやすくなります。

浴室塗装・ユニットバス塗装業者の選び方

ここまで見てきたように、浴室やユニットバスの再生塗装・コーティングは、工法そのものの良し悪しだけでなく、施工する業者の技術力や診断力によって仕上がりや耐久性が大きく変わります。ここでは、浴室塗装・ユニットバス塗装業者を選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。

実績・施工事例・対応物件(ホテル・賃貸・戸建て)の確認ポイント

まずチェックしたいのは、「どのくらいの件数・どのような種類の浴室を施工してきたか」という実績です。単に「浴室塗装できます」と書いてあるだけでなく、次のような情報が公開されているかどうかを確認してみましょう。

  • ユニットバス塗装・在来浴室塗装・浴槽のみ塗装などの施工事例
  • 各種浴槽の材質ごとの事例
  • ビフォー・アフター写真や、施工前の劣化状態が分かる写真
  • 工期や施工内容(下地補修の有無・塗料の種類など)の簡単な説明

特に法人の方は、自社と同じような規模・グレードの物件での実績があるかどうかを確認しておくと安心です。戸建て・マンションの個人の方も、ユニットバス・在来浴室・素材ごとの施工経験が豊富かどうかをチェックしておくとよいでしょう。

現地調査から見積もりまでの流れと比較の仕方

浴室塗装・ユニットバス塗装は、現地調査での診断がとても重要です。実際に浴室を見ないままメールや電話だけで即答するのではなく、次のような流れで進む業者を選ぶと安心です。

  1. 【ヒアリング】
    現状のお悩み(見た目・カビ・ひび割れ・漏水の心配など)を丁寧に聞いてくれる。
  2. 【現地調査】
    浴槽・壁・床・天井・目地・配管まわりを確認し、素材や劣化状態を診断する。
  3. 【工法の提案】
    再生塗装で対応できる範囲と、交換や防水工事が必要な可能性がある部分を分けて説明する。
  4. 【見積もり提示】
    工事内容・使用材料・工期・保証内容が分かる形で見積書を提示する。

複数社から見積もりを取る場合は、「価格だけ」で比較するのではなく、以下のような点も見比べてみてください。

  • 提案内容が具体的かどうか(塗装範囲・補修内容・塗料の種類など)
  • 再生塗装が向かない部分についても正直に説明してくれるか
  • 質問に対して、専門用語だけでなく分かりやすい言葉で答えてくれるか

「どこまでが再生塗装の範囲で、どこからが交換・大工工事の範囲なのか」を整理して見積もりを出してくれる業者ほど、長期的な視点での提案ができているといえます。

追加費用が発生しない見積もりか・養生範囲・使用できない期間の確認

浴室塗装・ユニットバス塗装のリフォームでは、「あとから追加費用が発生しない、安心できる見積もりかどうか」がとても重要です。経験豊富な業者であれば、現地調査の段階で劣化状況や必要な下地補修を見極めたうえで、工事後に追加請求のない形で見積もりを提示することができます。

一方で、「開けてみないと分かりません」「とりあえずやってみて、必要ならそのとき追加で」といった説明ばかりの業者は、浴室リフォームや再生塗装の経験が十分でない可能性もあります。多くの現場経験がある業者であれば、現地調査の時点で工事範囲と必要な補修内容をかなりの精度で判断できるのが通常です。

見積もりを確認する際は、次の点をチェックしてみてください。

  • 「この見積もり金額の中に、今回必要な工事はすべて含まれていますか?」と聞いたときに、はっきりと回答してくれるか
  • 下地補修や防錆処理など、必要な作業が項目としてきちんと記載されているか
  • いかなる場合も、「追加費用はありません」と言い切れるだけの診断と経験があるか

あわせて、お風呂を使用できない期間も事前に確認しておくと安心です。

  • 工事中や塗料乾燥中にお風呂が使えない時間・日数
  • 施工後、何時間〜何日後から入浴できるのか

「見積もり時にしっかり判断し、あとから追加費用をいただかない」という姿勢を明言している業者であれば、予算計画も立てやすく、安心して浴室リフォームを任せることができます。

他の浴室リフォーム工法との提案力をチェックする

最後に意外と重要なのが、「塗装以外の選択肢も含めて提案してくれるかどうか」という点です。再生塗装の専門業者であっても、次のような姿勢があるかどうかを確認してみてください。

  • ユニットバス交換や在来→ユニットバスへの工事が適しているケースをきちんと教えてくれる
  • 再生塗装+部分的な交換(カウンター・水栓など)といった組み合わせ案も検討してくれる
  • 「塗装をおすすめしないケース」についても、きちんと説明してくれる

「どんな状態でもとにかく塗装でいきましょう」という提案よりも、物件の状態・予算・今後の予定に合わせて、交換リフォームや防水工事も視野に入れた提案をしてくれる業者のほうが、結果的に満足度の高いリフォームにつながりやすくなります。

ここまでで、浴室塗装・ユニットバス塗装を選ぶ際の判断材料はひととおり整理できました。次の章では、お風呂リフォームと浴室塗装に関するよくある質問を取り上げながら、疑問になりやすいポイントを補足していきます。

お風呂リフォームと浴室塗装に関するよくある質問

最後に、ユニットバス交換や在来浴室リフォーム、浴槽・浴室の再生塗装について、よくいただくご質問をQ&A形式でまとめます。検討時の不安や疑問の解消にお役立てください。

Q1. 再生塗装・コーティングの耐用年数とメンテナンス頻度はどのくらいですか?

浴槽やユニットバス・在来浴室の再生塗装・コーティングの耐用年数は、使用環境やお手入れの仕方、塗料の種類によって変わりますが、一般的には10〜15程度を目安としてお考えいただくことが多いです。

ポイントは、「新品同様にまったく劣化しない」という意味ではなく、「通常使用の範囲で、きれいな状態をどの程度キープできるか」という観点で見ることです。日常のメンテナンスとしては、

  • 研磨剤入りスポンジや強い洗剤を多用せず、やわらかいスポンジと中性洗剤を基本にお手入れする
  • 入浴剤や毛染め(カラー剤)による変色・着色が残らないよう、使用後は早めに洗い流す
  • 入浴後は換気扇や窓開けでしっかり換気し、水滴を残さないよう早めに浴室内を乾かす

といった点を意識することで、再生塗装・コーティングの寿命をより長く保ちやすくなります。具体的な耐用年数の目安は、使用する塗料やコーティング材ごとに説明を受けておくとよいでしょう。

Q2. 塗装後のお風呂掃除やカビ対策で注意するポイントはありますか?

再生塗装・コーティング後のお風呂掃除では、「強くこすらない」「削らない」ことが大切です。基本的には、やわらかいスポンジと中性洗剤を使った日常的なお手入れで十分きれいな状態を保てます。

  • メラミンスポンジ(激落ちくんなど)は研磨力が高く、塗膜を傷めるおそれがあるため避ける
  • カビ取り剤を使う場合は、必要な部分に短時間だけ使い、その後よく洗い流す
  • 換気扇の活用や窓開けで湿気をためないようにする

カビ対策としては、「汚れをためない」「水分を残さない」「風通しをよくする」という基本を押さえておけば、塗装後の浴室でも清潔な状態を長く保ちやすくなります。

ユニットバス換気中
お風呂使用後はこまめな換気を

Q3. ユニットバス交換と塗装で迷ったときの判断基準はありますか?

ユニットバス交換と再生塗装・コーティングで迷ったときは、次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。

  • 今後何年使う予定か(使用年数)
    あと20年以上しっかり使う前提であれば、断熱性やバリアフリーも含めてユニットバス交換を検討したほうがよいケースが多いです。一方、あと数年〜十年程度の利用を想定しているなら、再生塗装で整えるという判断も現実的です。
  • どこまで性能を上げたいか(性能・機能)
    「寒さ対策をしたい」「浴室暖房乾燥機を入れたい」など、設備全体のグレードアップを重視する場合は交換向きです。見た目と清掃性の改善が主な目的であれば、塗装・コーティングでも対応できるケースが多くなります。
  • 今回用意できる予算(コスト)
    予算的にユニットバス交換が厳しい場合、再生塗装・部分リフォームを組み合わせることで、「今必要な範囲だけを現実的なコストで整える」という選択肢が取れます。

どちらか一方に決めてしまう前に、ユニットバス交換のプランと、再生塗装・部分リフォームのプランを並べて比較してみると、納得感のある選択がしやすくなります。

Q4. 賃貸物件で原状回復とグレードアップを両立する方法はありますか?

賃貸マンション・アパート・社宅などでは、退去時の原状回復と、次の入居者に向けたグレードアップを同時に考える必要があります。その際、浴室の再生塗装・コーティングは非常に相性が良い工法です。

  • 既存のユニットバスや在来浴室を活かしながら、黄ばみ・カビ・キズをリセットできる
  • 工期が短く、空室期間を伸ばさずに内装リフォームを完了しやすい
  • 家賃アップや入居率アップにつながる「見た目の印象」を効率よく改善できる

すべてを交換するのではなく、「交換が必要な部屋」と「再生塗装で十分な部屋」を分けて投資することで、全体の原状回復コストを抑えつつ、物件全体の競争力を高めることができます。

物件ごとのターゲットや家賃設定に合わせて、どこまでを塗装で対応し、どこからを交換リフォームとするかを検討するのがおすすめです。

まとめ|ユニットバス交換・在来浴室リフォーム・再生塗装から最適な方法を選びましょう

ここまで、ユニットバス交換・在来浴室からユニットバスへのリフォーム・在来浴室のまま行う部分リフォーム・浴室の再生塗装・コーティングなど、お風呂リフォームのさまざまな選択肢を比較してきました。

  • ユニットバス交換:設備全体を一新し、断熱性や清掃性もまとめて高めたい場合に有効
  • 在来浴室→ユニットバス:タイルの寒さ・滑り・漏水リスクを根本から改善したい場合に向いている
  • 在来浴室の部分リフォーム:浴槽・壁・床など、必要な部分だけを効率よく整えたい場合に有効
  • 浴室・浴槽の再生塗装・コーティング:費用と工期を抑えつつ、見た目と使い勝手を改善したい場合に最適

大切なのは、「自分(自社)の物件が、今どの状態にあり、これから何年・どのように使う予定なのか」を整理したうえで、工法を選ぶことです。築年数・ご予算・ライフプラン・稼働率・ターゲット層などによって、最適な答えは変わります。

ユニットバス、在来浴室、浴槽塗装、お風呂全体のコーティング…。それぞれの特徴を知ったうえで、「どこを交換し、どこを再生させるのか」を組み合わせていくことで、ムダなコストを抑えながら、納得感の高いお風呂リフォームが実現しやすくなります。

もし「うちの浴室にはどの方法が合っているのか分からない」という場合は、ユニットバス・在来浴室・浴室塗装のすべてを比較しながら提案できる業者に現地調査を依頼し、複数パターンのプランと見積もりを出してもらうのがおすすめです。そのうえで、費用・工期・仕上がり・将来の計画を踏まえて、最適なお風呂リフォームの道を選んでいきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社ビューティーメイク 代表取締役
水廻り再生リフォーム歴32年

日々、浴室・浴槽塗装、キッチン塗装等、パネル・シート施工等、水廻りの再生リフォームを研究しております。
少しでも皆様に再生リフォームを知っていただく為、わかりやすくお役に立てる記事を書いていきます。
水廻り再生リフォームに、ご不安やご不明な点、ご質問があれば
お気軽にご相談下さい。

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