FRP浴槽の変色やツヤ落ち、細かなヒビが気になってくると、「浴槽 交換(浴槽 入れ替え)をしたほうが早いのかな?」と考える方は多いです。
ですが実際には、浴槽だけを入れ替えられるケースもあれば、浴室のタイプや搬入経路、配管の位置によっては想定より工事が大きくなり、浴槽の交換にかかる費用や、工期が増えることもあります。
この記事では、FRP浴槽の特徴を簡単に押さえたうえで、交換が必要になりやすい状況、浴槽交換の基本的な流れ、費用の目安と追加費用が出やすいポイントを、はじめての方でも読み進めやすいようにまとめます。
あわせて、交換を判断する前に知っておきたい「症状別の対処」に関する関連記事も紹介しますので、今の状態に近いケースから確認してみてください。
FRP浴槽とは
FRP浴槽の「FRP」は、繊維で強化したプラスチック素材のことです。浴槽として成形しやすく、軽さと強度のバランスがよいことから、戸建て・マンション・賃貸物件・ホテルなど幅広いお風呂で使われています。
浴槽 交換(浴槽 入れ替え)を考えるときは、「FRPだからどうこう」よりも、浴室のつくり(在来かユニットバスか)や、希望するリフォームの内容(サイズ変更・断熱性・またぎ高さの改善など)によって、選び方や費用感が変わります。

FRPの特徴 メリットと注意点
FRP浴槽のメリットは、日常で実感しやすい点が多いです。たとえば、素材が比較的軽く、浴槽の形やサイズのバリエーションが作りやすいこと、導入コストを抑えやすいことが挙げられます。
交換を検討する際も、同等グレードを選べば価格帯の選択肢が広く、予算に合わせた組み立てがしやすい素材です。
一方で注意点として、FRPは表面の状態によって「見え方」や「掃除のしやすさ」が変わりやすい傾向があります。
強い研磨や素材に合わない洗剤の使い方で表面が荒れると、くすみや汚れ残りが気になりやすくなります。
交換でリフォームする場合は、見た目だけでなく、掃除のしやすさ・断熱・またぎやすさなど“使い心地”を何を優先するかを先に決めておくと、浴槽選びで迷いにくくなります。
浴槽 入れ替えは浴室のタイプで決まる|在来とユニットバスの違い
FRP浴槽の交換( 入れ替え)で、いちばん最初に確認したいのは「浴槽の素材」よりも、実は浴室のつくりです。
浴室が 在来浴室(タイル・左官など) なのか、ユニットバスなのかで、工事の組み立てやすさが大きく変わり、結果として浴槽の交換にかかる費用や工期にも差が出ます。
リフォームの計画を立てるうえで、ここを押さえておくと判断が一気に楽になります。


在来浴室は浴槽だけ交換しやすい理由
在来浴室は、壁や床を現場で作っていることが多く、浴槽が「単体で据え付け」されているケースが多いです。
そのため、条件が合えば浴槽だけを外して、新しい浴槽に入れ替えるという組み立てがしやすくなります。
ただし、在来浴室でも「浴槽の周りが壁やタイルに強く組み込まれている」「搬入出が難しい」などの場合は、周辺の解体・復旧が増えて費用が上がることがあります。
ポイントは、浴槽の形そのものよりも、浴槽を“抜ける状態”にできるかです。
ユニットバスは浴槽だけ交換が難しいことがある理由
ユニットバスは、工場で規格化された部材(床・壁・天井・浴槽など)を現場で組み立てる構造です。
この構造上、浴槽を外すために周辺パネルの取り外しが必要になったり、規格や固定方法の都合で「浴槽だけ交換」が現実的でないことがあります。
その結果、ユニットバスの場合は「浴槽だけ入れ替えたい」と思っていても、実際には浴室全体のリフォーム(ユニットバス交換)の方がスムーズ、という判断になることもあります。
だからこそ次章の「現地調査」で、サイズや搬入出と合わせて、どこまで分解できるか/交換できる範囲かを確認するのが重要です。
次は、浴槽を交換するときの具体的な流れを「現地調査 → 撤去 → 設置」の順に、ざっくり分かるように解説します。
浴槽 交換の流れ 現地調査から設置までをざっくり解説
浴槽の交換リフォームは、工程そのものはシンプルですが、現場ごとの条件で「できる/できない」「費用が増える/抑えられる」が分かれます。ここでは全体像をつかめるように、流れを短くまとめます。
現地調査で必ず確認されるポイント サイズ 搬入出 配管
見積もり前の現地調査では、主に次の3点をチェックします。
- サイズ:浴槽の幅・長さ・深さ、浴室寸法、ドア開口
- 搬入出:玄関〜浴室までの通路幅、曲がり角、階段、エレベーターの有無
- 配管:給水・排水の位置、追い焚きの有無、既存設備との接続方法
ここが固まると、「浴槽だけ交換できるか」「浴室リフォームの方が合理的か」に加えて、費用がどこで変わりやすいかも見えやすくなります。
撤去と設置の基本ステップ どこまで工事が必要か
一般的な浴槽交換の基本ステップは次の通りです。
- 養生(床・壁・搬入経路を保護)
- 既存浴槽の取り外し(固定部・エプロン等を外して搬出)
- 必要箇所の調整(配管位置の微調整や、設置面の調整など)
- 新しい浴槽の搬入・据え付け
- 配管接続・動作確認
- 仕上げ(コーキング・清掃)
この中で工事範囲が広がりやすいのは、「浴槽を外すために何をどこまで分解する必要があるか」です。特にユニットバスは分解範囲が増えやすく、ここが「浴槽だけ」か「浴室全体」かの分かれ目になりやすいです。
次は、ここまでの流れを踏まえて「浴槽の交換にかかる費用はどこで決まるのか」を、内訳ベースでわかりやすく整理します。
浴槽 交換 費用の目安 どこにお金がかかるのか
費用は、「浴槽本体がいくらか」だけでなく、工事のしやすさ(搬入出・解体範囲・配管)で大きく変わります。ここでは細かい数字を断定しすぎずに、見積もりの見方が分かるように「何にお金がかかるか」を整理します。
本体価格と工事費 内訳で見ると納得しやすい
見積もりは、ざっくり次の2つに分けて考えると迷いません。
- 浴槽本体価格
サイズやグレード、断熱仕様(保温浴槽など)で幅が出ます。リフォームでは「今と同等グレードにするか」「快適性を上げるか」で本体価格が変わります。 - 工事費
ここが費用差の大きい部分です。主に以下が含まれます。- 養生費(搬入出経路・浴室まわりの保護)
- 撤去・処分費(古い浴槽の取り外しと廃材処分)
- 設置・据え付け費(水平調整・固定・仕上げ)
- 配管接続費(給水・排水・追い焚き等の接続)
- 状況により 復旧費(周辺部材の脱着・補修など)
見積書では「一式」でまとめられていることもありますが、可能なら 本体/撤去処分/設置/配管/養生 くらいまでは分けて出してもらうと、比較がしやすいです。
追加費用が出やすいポイントを先に知っておく
見積もりで「後から増えやすい」ポイントは、だいたい決まっています。
- 搬入出が難しい
通路幅がギリギリ、曲がり角が多い、階段作業、ドア脱着が必要など。養生と手間が増えます。 - 浴槽まわりの分解範囲が広い
特に ユニットバス では、浴槽だけ外すつもりが周辺パネルの脱着が増えることがあります。 - 配管の位置が合わない/移設が必要
排水位置や追い焚きの接続条件で、想定より作業が増えることがあります。 - サイズ変更を希望する
「大きくしたい」「またぎを低くしたい」など、希望自体は良いのですが、サイズ変更は工事範囲が増えやすいので費用も上がりやすいです。
こうした増額ポイントは、現地調査の時点である程度見えます。だからこそ、次章の「見積もりチェック」で、事前に伝えるべき条件を押さえるのが重要です。
予算と工期を抑えたいときの考え方
予算と工期を抑えたい場合は、基本的に「現状の条件をできるだけ変えない」ことが近道です。たとえば、浴槽サイズを大きく変えない、配管移設を最小限にする、周辺部材の脱着が少ない方法を選ぶ、といった考え方です。見積もりの段階で「何を優先するか(費用・工期・快適性)」を先に決めておくと、希望に合った提案が出やすくなります。
工期の目安 お風呂が使えない期間はどれくらいか
浴槽のリフォームで気になるのが、「何日お風呂が使えないのか」という点です。結論としては、工期は 工事の範囲 と 浴室のタイプ(在来かユニットバスか) で変わります。
- 浴槽だけの交換で完結する場合(据え置きタイプで解体が不要な場合)
工事自体は半日程度で終わり、工事終了後すぐに使用できるケースもあります。

交換が容易
- 解体・周りの壁や床に復旧が必要な場合(在来浴室など)
タイル等の解体や復旧が必要になると工程が増えやすく、3~5日程度必要となります。

費用も高額、工期も長くなる
- 浴室全体のリフォーム(ユニットバス交換)になる場合
解体〜組み立てが入るので、さらに日数がかかります。営業停止回避を重視する施設・賃貸では、ここが計画の重要ポイントになります。
工期の相談をスムーズにするコツは、見積もり時点で「入浴できない日が何日か」「いつから使えるか(当日可/翌日可)」を、日付ベースで確認することです。
次は、交換リフォームで失敗しないために、見積もりのチェックポイントを整理します。
リフォームで失敗しないための見積もりチェック
浴槽のリフォームは、同じ「交換工事」でも現場条件で費用と工期が変わります。だからこそ見積もりでは、金額だけでなく「どこまで含まれているか」を確認するのが大切です。ここを押さえるだけで、後からの追加費用や認識違いをかなり防げます。
見積書で見たい項目 ここが抜けるとトラブルになりやすい
見積書は「一式」になりがちですが、できれば次の項目が分かる形にしてもらうと安心です。
- 浴槽本体(品番・サイズ・仕様が分かる記載)
- 撤去・処分(既存浴槽の取り外しと処分費)
- 養生(搬入出経路、浴室内の養生範囲)
- 設置・据え付け(調整・固定・仕上げ含むか)
- 配管接続(給水・排水・追い焚き等が含まれるか)
- 状況により 解体・復旧(タイルや壁、床の復旧が発生する場合の扱い)
この中でトラブルになりやすいのは、「処分費が別だった」「養生が想定より少なかった」「配管接続が含まれていなかった」など、“含む・含まない”のすれ違いです。項目が分かれているだけで比較もしやすくなります。
問い合わせ時に伝えておきたいこと ここが揃うと見積もりが早い
浴槽リフォームの見積もりは、問い合わせ時点で情報が揃っているほどスムーズです。次の内容を先に伝えておくと、現地調査の段取りや概算の精度が上がりやすくなります。
- 浴室のタイプ(在来浴室か、ユニットバスか)
- 建物の条件(戸建/マンション、階数、エレベーターの有無)
- 搬入出の条件(通路が狭い、曲がり角が多い、ドアが小さい等)
- 交換したい理由と優先順位(費用重視/工期重視/サイズや快適性重視)
- 希望時期(いつまでに使える状態にしたいか)
- 施設・賃貸の場合は 工事できない日時(営業・入退去の都合など)
- 浴室と浴槽の写真(全体/浴槽/排水まわりが分かる写真を送ると話が早いです)
特に施設・賃貸は「止められない日」が出やすいので、最初に共有しておくと無理のない工程で組みやすくなります。
迷ったときの参考情報|あわせて読みたい関連記事
浴槽のリフォームを検討していても、悩みの原因は人それぞれです。見た目のくすみが気になる方もいれば、補修の考え方を知りたい方、ユニットバス全体のリフォームを視野に入れたい方もいます。ここでは、状況別に参考になる関連記事をまとめました。
まとめ|FRP浴槽の交換で後悔しないための考え方と次の一手
FRP浴槽交換(入れ替え)は、「浴槽が古いから交換する」というより、浴室のタイプや工事範囲によって難易度と費用が変わるリフォームです。まずはご自宅(または物件)の浴室が 在来浴室 なのか ユニットバス なのかを押さえたうえで、現地調査では サイズ・搬入出・配管 の3点を確認してもらうと、後からのすれ違いを減らせます。
リフォームに必要な費用は、浴槽本体だけで決まらず、撤去処分・養生・設置・配管接続、さらに解体や復旧の有無で上下します。見積書では「一式」の金額だけを見るのではなく、どこまで含まれているか(処分、養生、配管、復旧など)を確認することが、納得できるリフォームにつながります。
問い合わせの段階で、浴室タイプや建物条件、搬入経路の特徴、希望時期に加えて 浴室と浴槽の写真を送る と、話が早くなりやすいです。全体像がつかめれば、「浴槽だけ交換でいけるのか」「工事範囲が広がる可能性があるのか」も判断しやすくなります。
最後は、見積もりで「どこまで工事に含まれるか」を確認し、工期と費用の想定を揃えたうえで進めるのが安心です。あわせて、気になる症状がある場合は、本文内の「関連情報」も参考にしてみてください。
よくある質問
Q1. FRP浴槽の交換費用はどれくらいかかりますか?(リフォームの相場は?)
A. 浴槽の交換にかかる費用は「浴槽本体+工事費(撤去処分・養生・設置・配管接続)」で決まり、現場条件で大きく変わります。据え置きタイプで解体が不要なら比較的まとまりやすく、周りの壁や床の解体・復旧が必要な場合は日数も費用も上がりやすいです。正確には現地調査が必要なので、見積もりでは“どこまで含むか”を項目ごとに確認すると安心です。
Q2. FRP浴槽は浴槽だけの交換(入れ替え)ができますか?
A. 可能なケースもありますが、ポイントはFRPかどうかより浴室のタイプです。在来浴室は浴槽だけ交換しやすい傾向があり、ユニットバスは構造上、浴槽だけの入れ替えが難しいことがあります。まずは浴室がどちらかを確認し、浴槽のサイズ・搬入出・配管を現地でチェックしてもらうのが確実です。
Q3. 浴槽の交換(入れ替え)の工期はどれくらいですか?当日お風呂は使えますか?
A. 据え置きタイプで解体が不要な浴槽交換なら、工事は半日程度で終わり、工事後すぐ使えるケースもあります。タイル等の解体や復旧が必要な場合(在来浴室など)は工程が増え、3~5日程度見ておくと安心です。問い合わせ時に浴室と浴槽の写真を送ると、工期の見立てが早くなりやすいです。


