【FRP浴槽】ひび割れ補修の全知識|ライニング工法・費用・施工例も紹介

浴槽の表面に細かいヒビ(クラック)が目立ってきた…そんなお悩みはありませんか?
とくにFRP(繊維強化プラスチック)製の浴槽では、経年劣化や衝撃などによって「ヘアークラック(髪の毛程度の微細なひび割れ)」(や「深いひび割れ」が発生しやすく、放置すると水漏れやカビ、衛生面でのリスクにつながります。

この記事では、FRP浴槽に発生するひび割れの補修方法として注目されている「※FRPライニング工法」の実例とともに、入れ替えや交換との違いや価格比較まで詳しく解説します。

FRPライニングとは
ライニングとは、物体の表面や内面を別の素材で覆い、強度や防水性を高める表面処理のことです。この記事でご紹介するFRPライニングは、ガラス繊維にポリエステル樹脂を含ませた「FRP(繊維強化プラスチック)」を浴槽表面に積層し、厚みのある保護層を形成する工法です。
これにより、ひび割れや劣化で弱くなった部分を補強し、防水性・耐久性を新品同様まで回復させることができます。

以下のような方におすすめの内容です
  • 浴槽のひび割れをできるだけ費用を抑えて直したい
  • 浴槽交換を検討しているが、工期や営業停止リスクを避けたい
  • FRP素材の特徴や補修の流れを知っておきたい
目次

FRP浴槽とはどのような素材か

FRP(Fiber Reinforced Plastic)は、「ガラス繊維」と「ポリエステル樹脂」を組み合わせて作られる軽量で丈夫な樹脂素材で作成された浴槽です。

FRP浴槽
マンションのFRP浴槽
主な特徴は以下の通りです

✅ 軽量で取り扱いやすく、リフォームに適している

✅ 強度が高く、浴槽やユニットバスの壁材として広く使用されている

✅ 成形がしやすく、コストも比較的抑えられる

❗ ただし、表面は経年劣化によりクラックが発生しやすい傾向がある

\ 各浴槽素材の特徴と補修性の比較 /

特徴FRP浴槽ホーロー浴槽人工大理石浴槽
素材構成ガラス繊維+ポリエステル樹脂
で成形される複合素材
鋼板や鋳物の下地に
ガラス質のホーロー(琺瑯)を焼き付けた素材
アクリル樹脂や
ポリエステル樹脂を主成分とする一体成形樹脂素材
重量軽量で取り回しやすい非常に重く、搬入・施工には注意が必要FRPより重いがホーローよりは軽い
耐久性衝撃や熱に対する耐性は中程度傷・衝撃・熱に非常に強い表面の傷や変色に注意が必要
価格帯比較的安価で普及率が高い高価で高級物件に多く採用される中〜高価格帯。
高級感と滑らかな質感が特長
補修難易度◎ 専門業者によるFRPライニングが可能△ 難易度が高く、専門業者でも対応できない場合がある◯ FRPライニングによる補修が可能(FRPより難易度は高い)

💡各素材に対する補足解説:

  • FRP浴槽
    現在最も一般的に使用されている浴槽素材です。
    成形が容易で軽量なため、マンションや戸建て問わず広く普及しています。
    経年によって表面に微細なクラック(ヘアークラック)が生じることがありますが、専門業者による「FRPライニング補修」により、再生・延命が可能です。
  • ホーロー浴槽
    金属製の下地に高温でガラス質を焼き付けた構造で、表面の硬度や光沢感に優れています。
    ただし、ひび割れや欠けが生じた場合の補修は非常に難しく、浴槽塗装の専門業者でも対応が困難なケースがあります。
    ホーロー浴槽の補修と塗装に対応している業者を選ぶ必要があります。
  • 人工大理石浴槽
    高級感ある見た目と滑らかな質感を持つ素材で、主にアクリル系またはポリエステル系樹脂で構成されます。
    細かい傷や劣化に弱く、FRP浴槽と同様にFRPライニング補修が可能ですが、硬度や密着性の面から補修難易度はやや高くなります。

FRP浴槽のクラック補修方法と、ひび割れが起きる原因

FRP浴槽には、以下のような複数の要因によって、表面や内部にひび割れ(クラック)が発生することがあります。

✅主な原因一覧

  • 経年劣化による樹脂の硬化と収縮
    使用年数が長くなると、FRP樹脂の柔軟性が失われて硬化し、微細な亀裂が表面に浮かび上がることがあります。
  • 温度変化による膨張・収縮の繰り返し
    入浴による熱と冷水による冷却を日々繰り返すことで、素材に微小なストレスが蓄積し、クラックの原因になります。
  • 長時間の水ためっぱなしによる加水分解
    水を長期間張ったままにしておくことで、FRP内部の樹脂に水分が染み込み、化学的な分解(加水分解)が進行。これにより素材の結合力が低下し、クラックが起きやすくなります。
  • 表面塗膜(ゲルコート)の摩耗や劣化
    長年の使用で表面の保護層が削れると、下地のFRP層が露出し、水や洗剤が内部に浸透しやすくなります。
  • 点荷重・落下物などによる衝撃
    洗面器や掃除用具などの落下、または長時間一点に力がかかることで、局所的にクラックが発生します。
  • 施工不良や下地構造の不均一
    施工時に発生する空気の混入や樹脂の不均一な流れにより、後年クラックが発生する原因になる場合があります。

❌特に注意したい兆候

  • 表面に細い線状の模様や筋が浮き出てきた
     一見すると汚れや傷のようにも見えますが、これが「ヘアークラック」の初期症状であることが多く、放置すると拡大する恐れがあります。
  • 水を抜いたあとも、底面や一部に水が溜まっている
     ひび割れ部分から水が内部に浸透し、裏面に滞留している可能性があります。見た目ではわかりにくく、内部劣化のサインです。
  • 入浴時に浴槽が“ふわふわ”と沈む感覚がある
     浴槽下の支持力が低下し、底面が柔らかく感じる現象です。内部構造やFRP層に損傷がある可能性が高く、早急な点検が必要です。

浴槽ライニング工法のメリット(費用・工期・環境負荷の面)

FRP浴槽のひび割れ対策として「交換(入れ替え)」と比較されるのが、FRPライニングによる補修です。部分補修なら、耐久性や美観の再生に優れており、以下のような明確なメリットがあります。


費用を大幅に抑えられる

浴槽の全体交換に比べて、1/3〜1/5程度の費用で補修が可能です。
例:

  • 浴槽交換 → 約25〜50万円
  • FRPライニング補修 → 約8〜18万円

👉 壁・床・配管に手を加える必要がないため、周辺工事費も不要です。

工期が短く、生活への影響が少ない

FRPライニング補修は1日〜2日程度で完了するケースが多く、
ホテルや賃貸物件など営業・入居中でも対応できる点が大きな利点です。

一方、浴槽交換の場合:

  • 解体・搬入・接続工事などが必要
  • 施工期間:3〜5日程度
  • 同時に水道・ガス停止が発生する場合あり

廃材が出ず、環境負荷が少ない

FRPライニング補修は既存の浴槽を生かす工法のため、解体による廃材や運搬処分が不要です。
また、環境負荷を低減するだけでなく、建物全体の寿命延長にもつながります。

対応範囲が広く、さまざまな劣化症状に有効

FRPライニング補修と浴槽塗装を症状に応じて使い分けることで、多様な浴槽トラブルに対応できます。

症状主な補修方法備考
細かいヘアークラック表層のFRPライニングで補修可能表面の樹脂層を再形成し、水の侵入を防止
底面の沈み・たわみFRPライニング補強(補強用ガラス繊維を使用)構造強化を目的とした下地補強が可能
カビの染みつき浴槽塗装で対応(ライニング不要)塗膜再生により見た目・衛生面を改善
表面の摩耗・ツヤ引け浴槽塗装で対応可能(ライニング不要)艶出し・カラー変更など
見た目の回復に有効

💡このように、「ライニング=構造補強」「塗装=表面再生」といった使い分けにより、劣化レベルに応じた最適な施工が選択できます。

実際の施工事例に学ぶ|浴槽全体に細かいクラックと底面の大きなヒビ補修の流れ|大阪府枚方市

浴槽全体に細かいクラックが広がり、底面には水漏れの原因となる大きなひび割れが生じているFRP浴槽——
今回は、こうした重度の劣化症状をFRPライニングと塗装で補修していく工程を、実際の事例をもとに詳しくご紹介します。

大きく割れているFRP浴槽
底面には大きなひび割れがあります
ひび割れたFRP浴槽
細かいひび割れ
ひび割れたFRP浴槽
全体的にひび割れがあります
ひび割れたFRP浴槽
隆起している箇所も確認できます

クラックの研磨処理(凹凸除去と足付け)

FRPを研磨している
ランダムサンダーで研磨

施工の最初の工程は、浴槽全体に広がる細かいヘアークラックやひび割れ箇所の研磨処理です。

この段階で適切に処理を行うことが、ライニングや塗装の密着性・仕上がりに大きく影響します。

また、底面にある完全に割れた大きなひび割れについては、段差や欠けを工具で丁寧に削り、滑らかに整えておくことが重要です。

これにより、後工程で使用するガラスマットや樹脂がしっかりと密着し、補強効果が最大限に発揮されます。

💡作業のポイント

  • クラックの段差・ささくれをサンダーや手工具で丁寧に除去
     → 表面を均一にし、次工程で使用するガラスマットの密着を確保
  • 完全に割れている底面の段差は、工具を使用して滑らかに整える
     → 深いひび割れの段差を解消し、樹脂がなじみやすい下地を形成
  • 劣化部分は健全部まで削り込み、再発を防止
     → クラックが進行している範囲を見極め、余裕をもって除去します
  • 表面に「足付け処理」を施し、接着力を高める
     → 細かい傷を付けて塗料や樹脂の密着性を向上させます(#180〜#240程度の研磨目)

🧼 使用する主な道具

  • 電動サンダー(シングルアクション、ランダムアクション)
  • 研磨パッド、耐水ペーパー
  • 集塵機・マスク
足付け用の機械
集塵機と電動サンダー類
下地を削る機械
シングルアクションポリッシャーと研磨パッド、耐水ペーパー

この研磨処理をしっかりと行うことで、FRPライニングや塗装の「浮き」や「剥がれ」を未然に防ぎ、長期的な仕上がり品質を確保できます。

下地処理したFRP浴槽
段差処理と下地処理が完了した状態

大きなひび割れの補強|FRPライニングによる構造再生

浴槽底面に生じた深く大きなひび割れには、FRPライニングによる構造補強が不可欠です。この工程では、ガラス繊維(チョップドストランドマット、ロービングクロス)とポリエステル樹脂を用いて、破損箇所の上に新たなFRP層を積層し、構造そのものを再生します。

これにより、単なる表面的な補修ではなく、力のかかる部位に対して内部から強度を回復させることが可能となります。特に、底面の沈みやフワつきがある場合には、面全体を覆う形でしっかりと補強する必要があります。


🧱 施工の目的と効果

  • 割れた部分を強固なFRP層で再形成し、水漏れの再発を防止
  • 元の浴槽構造と一体化させ、長期耐久性を確保
  • 使用中に体重がかかる箇所(底面など)に十分な強度を持たせる

🔧 作業の流れ

  1. ひび割れの範囲に合わせて補強用のガラス繊維をカット・仮置き
  2. ポリエステル樹脂を含侵させながら、ガラス繊維を密着積層
  3. ローラーで気泡を除去しながら押し当てる(浮き・剥がれ防止)
  4. チョップドストランドマットとロービングクロスを3層以上重ねて補強厚を確保

📌 施工上のポイント

  • ガラスマットは角・湾曲部にも隙間なく密着させる技術が必要
  • 施工後はしっかりと硬化させる
  • 浴槽裏面がたわんでいる場合は、開口して下地補強材と併用することもある

この補強層が、浴槽全体の「骨組み」を再構築する役割を果たします。

表層のひび割れ対応|浴槽全体へのFRPライニング

浴槽内の広範囲にわたって細かいヘアークラックが発生している場合には、表層全体にFRPライニングを施すことで、美観と防水性を一体的に回復させることができます。

🧱 施工の目的と効果

  • 微細なクラックを樹脂層で覆い、水の侵入・再劣化を防止
  • 表面強度を再構築し、質感を復元
  • トップコートとの相性を高め、塗装の密着性と耐久性を強化

🔧 作業の流れ

  1. 浴槽全体に薄手のガラス繊維(ガラスクロスやサーフェスマット)をカット・配置
  2. ポリエステル樹脂を均一に含侵し、全面に積層
  3. ローラーと刷毛で空気を抜きながら密着させる(浮き・段差防止)
  4. 樹脂硬化後に、次工程の研磨・塗装に備えて表面を平滑に整える

📌 施工上のポイント

  • 使用するマットは柔軟性があり、曲面や縁部分にも密着しやすい
  • 構造補強を目的としないため、厚みは最小限に抑える(施工性・見た目の維持)
  • 塗装前の下地としての役割も担うため、ムラのない積層が重要
FRPライニング
ガラスクロス積層中
FRPライニング中のFRP浴槽
ガラスクロス積層中

この工程によって、「見た目の劣化」と「微細な機能劣化」を同時に解消できます。

再研磨処理(ライニング後の面整えと密着性確保)

FRPライニングによる積層が完了したら、次に行うのが再研磨処理です。
この工程は、表面をなめらかに整え、次に施工する塗装(プライマー・トップコート)の密着性を高めるための重要な下地調整です。

🧼 研磨処理の目的

  • ライニングによる樹脂の凹凸を平滑に整える
  • 表面に「足付け」を行い、塗膜の密着力を向上
  • トップコート塗布時のムラやピンホールを防止

🔧 作業内容

  1. ランダムサンダーや手研磨で、ライニング全体を均一に研磨
  2. 角や曲面も丁寧に処理し、段差・バリを除去
  3. #180〜#240程度のサンドペーパーで細かい足付け傷を付ける
  4. 粉塵や異物を清掃・除去して表面をクリーンに保つ

📌 施工のポイント

  • 完全に硬化してから削る
  • 過剰に削りすぎるとライニング層が薄くなるため、力加減に注意
  • 足付け不足=塗装の浮き・剥離の原因になるため、丁寧な作業が求められます

最終調整(微調整・段差除去)

ライニングと研磨が完了した段階で、細部の状態を確認しながら仕上がりの精度を高めるための最終調整を行います。特に、曲面や縁、接合部などに段差や凹凸、ピンホールが残っていないかを丁寧にチェック・修正する工程です。

🧭 主な調整内容

  • 機械が当たりにくい浴槽のコーナー部分や縁に残った段差の除去
  • 排水口や追い炊き口廻りの表面整え
  • 見た目や手触りに影響する凹凸の再確認と微修正

🔧 使用する道具と方法

  • エポキシパテや手作業によるポイント研磨
  • 曲面用のスポンジ研磨材や細目の耐水ペーパー(#320〜#400)
  • 研磨粉のふき取りと、表面の最終洗浄・乾燥

📌 ポイント

  • 最終調整を怠ると、仕上げ後の光沢ムラ・塗装ムラの原因に
  • 細部の「凹凸」や「ピンホール」はユーザー満足度を大きく左右
  • 高輝度LEDライトを使って最終点検

この工程を丁寧に行うことで、次に進む「プライマー吹き付け」と「トップコート仕上げ」の精度と完成度が大きく高まります。

FRPライニング研磨後
樹脂を研磨した状態。これでも大分奇麗ですが、
パテで細部を調整したFRP浴槽
エポキシパテと細部の研磨で最終調整

プライマー吹き付け(塗装下地づくり)

FRPライニングと最終調整、養生が完了したら、いよいよ塗装工程の第一段階「プライマー吹き付け」に入ります。
この工程では、塗装の密着性を高めるための下地処理塗料(プライマー)をHVLP(低圧温風塗装機)スプレーで均一に施工します。

🧪 プライマーの役割

  • トップコート塗装との密着性を高める
  • 質感の向上、均一な仕上がりを実現
  • 塗膜の耐久性・防水性・耐薬品性を向上させる

🔧 作業の流れ

  1. 最終清掃後、ホコリや油分を完全に除去
  2. HVLP(低圧温風塗装機)スプレーガンを使い、薄く・均一にプライマーを吹き付け
  3. 状態を確認しながら、重ね吹きしていく
  4. 強制乾燥で完全に乾かす

📌 施工上のポイント

  • 薄く塗り重ねする。厚塗りは厳禁(硬化不良の原因に)
  • 湿度が高い日や通気の悪い環境では硬化不良が起きやすいため注意
  • 吹き残しがあると、トップコートの剥離原因になるため慎重に確認
プライマー吹き付け中
プライマー吹き付け中
プライマー完了
プライマー吹き付け完了

トップコート吹き付け(艶と防水性の付与)

プライマーの乾燥が完了したら、いよいよ仕上げ塗装のトップコート吹き付けに入ります。
この工程では、浴槽の美観を回復しつつ、防水性・耐薬品性・耐久性を備えた塗膜を形成します。


トップコートの目的と効果

  • 光沢のある美しい仕上がりを実現
  • 水・洗剤・湯による劣化を防止する塗膜保護層を形成
  • 滑りにくく、衛生的で清掃しやすい表面を再生

🔧 作業の流れ

  1. 乾燥したプライマー層の上から、トップコートをHVLP(低圧温風塗装機)スプレーで吹き付け
  2. 厚みを均一に保ちながら、数回に分けて施工
  3. 吹き付け後は、遠赤外線ヒーターなどによる強制乾燥で約1時間で硬化・仕上がりを安定させます

📌 使用される塗料の種類(例)

  • ウレタン系:柔軟性があり、傷が付きにくい
  • アクリルウレタン系:光沢・耐薬品性に優れる
  • アクリル変性シリコン:高光沢・高耐久

🚫 注意点

  • 吹き残しや厚塗りは色ムラ・垂れ・剥がれの原因になるため慎重に調整
  • 吹き付け環境(温度・湿度・換気)の管理も仕上がりに直結

このトップコートによって、FRP浴槽はまるで新品のような艶やかな仕上がりになります。
塗膜の乾燥が完了したら、仕上げ工程へと進み、最終的な確認と清掃を行います。

仕上げと最終確認(乾燥・清掃・完了)

トップコートの塗膜が硬化した後、最終的な仕上げと確認作業を行います。
この工程では、表面の異物処理や艶出し仕上げ(バフ掛け)を行い、完成度をさらに高めていきます。


🔍 仕上げの内容

  • 表面に付着したホコリや小さな異物を除去
     → トップコート乾燥後に異物を丁寧に処理
  • 仕上げ用ポリッシャーで表面を磨き、光沢を均一化
     → 微細なスレを整え、滑らかで美しい表面に仕上げます
  • 洗浄後、仕上がり具合を再確認
     → 表面の均一性や艶感、塗膜の安定性を最終チェックし、品質を確定します

✅ 最終チェックリスト

  • 塗膜にムラ・たれ・曇りがないか
  • 光沢の均一性、色合いの再現性
  • 排水や凹凸部に異常なし
  • 清掃・片付け・お客様への施工説明の準備

この仕上げ工程によって、施工の品質とお客様満足度の最終的な完成度が決まります。
これですべての補修工程が完了です。

ひび割れているFRP浴槽
細かいひび割れも
FRPライニングで補修したFRP浴槽
綺麗になりました
ひび割れているFRP浴槽
施工前
FRPライニングで補修したFRP浴槽
施工後

お客様の声として、次のような嬉しいご感想をいただきました。

  • ご入居者様より
     「ひび割れもきれいに直って、見た目もとても綺麗になり、嬉しく思います」
  • オーナー様より
     「見違えるほど綺麗に仕上がりました。これでご入居者様にも安心してご利用いただけます」

このようなお言葉をいただき、私たちとしても大変励みになりました。

塗装したFRP浴槽
底面の大きなひび割れも直りました
塗装したFRP浴槽
痛んでいたエプロンはパネルを張って、施工完了

補修後の使用開始と日常メンテナンスの注意点

FRP浴槽のライニング補修や塗装が完了したあとは、翌日夕方からの使用が可能です。
ただし、塗膜の安定や長持ちのためには、初期の使い方や日常のメンテナンス方法に注意することが大切です。

⏳ 使用開始のタイミング

  • 工事完了の翌日夕方からお湯を溜めての使用が可能です
  • 現場の環境や塗料の種類により、完全硬化のタイミングは多少前後することがあります

🧼 日常清掃・お手入れのポイント

  • 中性洗剤と柔らかいスポンジでやさしく洗う
  • 酸性・アルカリ性洗剤、研磨剤入り洗剤は塗膜を傷める原因になるためNG
  • 定期的な換気と水分拭き取りでカビ・劣化防止に効果的

工期と費用の目安まとめ

FRP浴槽の補修を検討する際、多くの方が気になるのが「費用」と「工期」です。
以下に、FRPライニング補修と浴槽の入れ替え工事を比較してまとめました。

💰 費用比較(概算)

工事内容費用目安(税込)備考
FRPライニング補修+塗装約8万〜18万円前後浴槽サイズ・損傷範囲により変動
浴槽まるごと交換約25万〜50万円前後解体・配管・内装工事含む

⏱ 工期比較

工事内容工期の目安備考
FRPライニング補修+塗装1〜2日間程度施工完了の翌日夕方から使用可能
浴槽まるごと交換3〜5日間程度配管工事や内装復旧に日数を要する場合あり

🏢 法人・管理会社の方に特におすすめ

  • 工期が短いため空室損失や営業停止リスクを最小限に抑えられる
  • 既存設備を生かすため、廃材が出ず環境・コスト両面で優位

👪 個人宅の場合でも…

  • 高額な交換工事を避けたい方にとって、費用対効果の高い選択肢
  • カビやひび割れなどの衛生面の不安を短期間で解消できる

このように、FRPライニング補修はコスト・工期・仕上がりのバランスに優れた選択肢です。

浴槽補修と交換の比較|法人・個人別の選び方

FRP浴槽のトラブルに対して、「補修か交換か」で迷われるケースは非常に多いです。
ここでは、法人と個人ユーザーそれぞれにとっての判断ポイントを整理しました。


🏢 法人・管理会社の場合

FRPライニング補修がおすすめなケース:

  • 空室期間を最小限に抑えたい(即日〜2日施工が可能)
  • 水漏れを早急に止めたいが、全面改修までは検討していない
  • 築年数の関係で、大規模工事を避けたい
  • 他の部屋も順次対応予定で、コストを抑えて複数箇所対応したい

交換を検討すべきケース:

  • 浴槽以外の内装・配管も老朽化している
  • 意匠変更・グレードアップが求められている
  • 現場条件(工期・搬入・搬出スペース)が確保できる

👪 個人ユーザーの場合

FRPライニング補修がおすすめなケース:

  • 築10〜20年前後で、浴槽以外はまだ使える
  • リフォーム費用を抑えたい(10万円前後で対応可能)
  • カビ・劣化・見た目の悪化が気になるが、機能的には問題ない

交換を検討すべきケース:

  • 浴室全体の劣化が著しい(タイル・床・壁も傷んでいる)
  • 段差解消・バリアフリー化など、機能変更を伴うリフォームを考えている
  • 浴槽のサイズ・形状そのものを変えたい

FRPライニング補修は「今あるものを最大限活かす」という選択肢です。
コストを抑えつつ、見た目と機能を回復させたい方にとって、非常に有効な補修方法と言えるでしょう。

施工会社に相談する際のチェックポイント

FRP浴槽の補修を検討する際は、信頼できる施工会社を選ぶことが成功の鍵となります。
ここでは、相談・依頼時に押さえておきたいポイントをまとめました。

📝 事前確認しておきたいこと

  • 現地調査の有無と内容
     → 浴槽の材質・劣化状況・補修範囲を的確に診断してくれるか
  • 見積内容の内訳が明確か
     → 塗装・FRPライニングの有無や必要範囲、施工面積などが具体的に記載されているか
  • 保証の有無と期間
     → 施工後に万一トラブルがあった場合の対応範囲・期間は明示されているか

🔍 業者選びのチェックリスト

チェック項目確認ポイント
実績の有無FRP浴槽の補修経験が豊富か(HPやSNSに施工事例の掲載があるか)
専門性FRPライニングや塗装に特化した技術を持っているか
対応の丁寧さ質問への回答が具体的で、親身な対応があるか
比較検討複数業者の見積を取り、内容・価格・対応を比較することが重要

💡 迷ったときの判断ポイント

  • 価格だけで選ばず、「どこまでの施工内容か」を具体的に確認する
     → 金額が安くても、下地処理や塗装が不十分なケースもあります。
      「どの範囲を、どの工程まで施工するのか」を事前に明確に把握しましょう。
  • 現場調査は必ず実施してもらい、見積は書面で受け取る
     → 現場の状態を正確に診断したうえでの見積が信頼の証です。
      口頭ではなく、書面で内容・金額・施工範囲を確認できるかがポイントです。
  • 見積書に「FRP塗装」や「ライニング補強」が明記されているかを確認する
     → 工程や施工内容があいまいなまま契約しないよう、
      作業工程・工法が明記されているかをチェックしましょう。

まとめ:補修と交換、それぞれの適応条件と選び方

FRP浴槽のひび割れやクラックに対しては、**「補修(FRPライニング+塗装)」と「交換」**という2つの選択肢があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、劣化の状態や使用環境、予算に応じた判断が重要です。


🔧 補修が適しているケース

  • 浴槽の素材がFRPで、構造自体はまだ使用可能な状態
  • 底面の沈みやクラックがあるが、部分的な補強で対応できる
  • 費用を抑えて対応したい(10万〜20万円程度で施工可能)
  • 工期を短縮し、空室損失や営業停止を避けたい(1〜2日で完了)

🛠 交換が望ましいケース

  • 浴槽以外(床・壁・配管)も含めて全体が劣化している
  • 意匠変更やサイズ変更など機能面の刷新を目的とする場合
  • 浴室全体のリノベーションやバリアフリー化を検討している

💡 最後に

「見た目が悪くなってきた」「ひび割れが気になるけれど使えている」
そんな状態であれば、まずは補修の選択肢を検討する価値があります。

現地調査を依頼し、信頼できる施工会社に相談することからスタートしてみてください。

よくある質問(FAQ)

FRP浴槽の補修後、いつからお湯を張って入浴できますか?
通常は施工完了の翌日夕方からお湯を張っての使用が可能です。強制乾燥により早期使用が可能となっています。
FRPライニングと塗装だけで、どれくらい長持ちしますか?
適切な施工と日常のメンテナンスを行えば、5〜10年程度は安心してご使用いただけます。
施工中、浴室は完全に使えなくなりますか?
はい、施工期間中(1〜2日程度)は浴槽の使用を控えていただきます。ただし短期施工のため生活への影響は最小限です。
どのようなひび割れやクラックでも補修できますか?
表面のヘアークラックから底面の構造的な割れまで、ほとんどのFRP浴槽に対応可能です。現地調査にて適応可否を判断します。
FRPライニング補修・塗装工事の費用はどれくらいですか?
傷みの程度や浴槽の大きさによりますが、概ね8〜18万円(税込)が目安です。正式な金額は現地調査後のお見積りで提示いたします。
補修後、見た目はどれくらいきれいになりますか?
トップコート塗装により、光沢のある新品同様の見た目に仕上がります。多くのお客様にご満足いただいています。
複数の浴室や法人物件にも対応できますか?
はい、ホテル・賃貸・商業施設など複数箇所の対応が可能です。ご希望に応じた工期やスケジュールで柔軟に対応いたします。

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この記事を書いた人

株式会社ビューティーメイク 代表取締役
水廻り再生リフォーム歴32年

日々、浴室・浴槽塗装、キッチン塗装等、パネル・シート施工等、水廻りの再生リフォームを研究しております。
少しでも皆様に再生リフォームを知っていただく為、わかりやすくお役に立てる記事を書いていきます。
水廻り再生リフォームに、ご不安やご不明な点、ご質問があれば
お気軽にご相談下さい。

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