ユニットバスとは?交換リフォームと再生塗装・補修を徹底比較

ユニットバスの汚れやひび割れ、壁のふくらみ…「交換するべき? 塗装や補修ってできるの?」と迷っている方へ。

本記事では、ユニットバスの基本を押さえつつ、交換・塗装・補修を〈費用・工期・仕上がり・耐久性〉の同じ物差しでシンプルに比較します。
賃貸と戸建て、それぞれの事情に合う選び方をわかりやすくまとめます。

読み終えるころには、あなたのお風呂にいちばん合う解決策が見えてきます。

時間がない方へ|この記事の要点まとめ
  • ユニットバスとは:工場生産のパネルと浴槽を現場で組み立てる「箱の中の箱」。防水パンの上に壁・天井・浴槽を組み合わせた浴室ユニット
  • ユニットバスの強み短工期で導入可能。防水性・清掃性も高い。
  • 交換の適用:レイアウト変更・バリアフリー化・配管交換が必要な場合に検討
  • 塗装の役割:下地が健全なら短工期・低コストで美観を回復(1216目安:15〜20万円/1〜2日)
  • 補修+塗装:ひび・膨れ・サビなどはFRPライニングや防錆を行ってから仕上げ(工期目安:2〜3日)
  • 部分施工で最適化:壁下部補修/床シート/浴槽のみ塗装など、必要箇所だけ整える(未施工部との質感差に注意)
交換or塗装→部分施工を
すぐに判断!
目次

ユニットバスの基礎知識

ユニットバス(システムバス)を理解するには、まず「どんな構造で、在来浴室と何が違い、どこが劣化しやすいか」を押さえることが近道です。次のポイントで、交換・塗装・補修を判断するための基本をサクッと確認しましょう。

ポイント
・工場生産のパネルと浴槽を現場で組み立てる「箱の中の箱」構造です。
・在来浴室(タイル仕上げ)より短工期・漏水リスクが低いのが一般的です。
・劣化は「浴槽のひび」「壁パネルの膨れ・サビ」「床の冷たさ・滑り」に出やすく、交換・塗装・補修で対処します。

構造と基本パーツ

ユニットバスは、防水パン(浴室ユニット床)の上に、壁パネル・天井・浴槽などを組み合わせて密閉空間を作るシステムです。お風呂(浴室)内の主な構成は次のとおりです。

  • 🛁 浴槽:FRP/人工大理石(ポリエステル系・アクリル系)/ステンレス など
  • 🧱 壁パネル:樹脂パネル、塩ビ鋼板(鋼板×樹脂フィルム)、ホーロー系 など
  • 天井パネル:樹脂・鋼板系。点検口や換気扇が付きます
  • 🦶 :防水パン・浴槽一体型、防水パン、スタイロ+成形床 など
  • 🚪 ドア・枠:樹脂またはアルミ。パッキン・シーリングが要点
  • 🧼 付帯部:カウンター・水栓・鏡・棚・点検口・換気乾燥機・照明

在来浴室との違い

ユニットバスと在来浴室を、まずは簡単に比べてみましょう。

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比較軸ユニットバス在来浴室(タイル・左官仕上げ)
工法工場成形品を現場で組み立て現場で下地づくり・防水・仕上げ
防水防水パン+パネルで二重化しやすいモルタル防水+仕上げ材の品質差が出やすい
断熱断熱浴槽・保温蓋などオプションが豊富断熱は個別設計。性能は施工の腕に依存
清掃性継ぎ目が少なく掃除しやすい目地が多くカビ・水垢が残りやすい
工期短い(解体〜組立まで一気通貫)工程多く長期化しやすい
自由度規格サイズ中心/レイアウト変更は限定的設計自由度が高い(素材・寸法を自由設計)

🧭 判断の目安
短工期・漏水リスク低減・清掃性を重視 → ユニットバス有利
サイズや素材の自由設計を重視 → 在来浴室有利

メリット・デメリット

ユニットバスは短工期・清掃性・防水性に強みがある一方、サイズや自由度の制約と経年劣化の出方に特徴があります。要点だけを押さえておきましょう。

メリット(導入・運用)

  • ⏱️ 短工期:解体〜組立がスムーズで、賃貸の空室期間や施設の休業を抑えやすい
  • 🚿 清掃性が高い:パネル構成で目地が少なく、日々の手入れが楽
  • 💧 漏水リスクが低い設計:防水パン+パネルで二重化でき、階下漏水の抑制に寄与
  • 🧩 部品交換・部分施工に対応しやすい:水栓や鏡、キャビネット(棚)等のリプレイス(交換)がしやすい

デメリット(計画・経年)

  • 📏 サイズ制約:既存開口・搬入経路の制限を受け、入れ替え時のサイズ選択に制約が出ることがある
  • 🧱 レイアウト自由度は限定的:在来浴室ほどの配置変更は難しい
  • 🧪 経年劣化の特徴
    • 浴槽…ひび割れ・欠け・黄変(FRPや人工大理石)
    • 壁…膨れ・サビ(塩ビ鋼板、その他鋼板パネル)
    • 床…滑り・冷たさ・汚れの蓄積

これらの前提を踏まえ、次章では入れ替え(交換)リフォームの基本と進め方を確認していきます。

ユニットバス交換(入れ替え)リフォームの基礎

ここでわかること
・交換工事の全体像と流れ
・費用・工期の目安(グレード/サイズ/住戸条件)
・「交換がベスト」な判断基準

交換の流れ

ユニットバスの交換は、次の工程で進みます。集合住宅では養生・騒音・搬入経路の管理が重要です。

  1. 🧰 事前準備・養生
     共用部・室内の動線を養生
  2. 🔧 解体・撤去
     既存ユニットを分解・搬出。配管・電気の位置を確認
  3. 📦 新規ユニット搬入
     フレーム・床パン・壁パネル・浴槽などを順次搬入します。
  4. 🛠️ 組立・接続
     床パン設置→フレーム→壁・天井→浴槽の順で組立。給排水・電気・換気を接続。
  5. 🧪 防水・気密確認
     通水・漏水チェック、コーキング仕上げ。
  6. 🧹 仕上げ・清掃・引渡し
     キャビネット・鏡など付帯を取付、動作確認を行います。

💡 小さなコツ:解体時に給湯器の年式追い焚き配管を同時確認すると、後追い工事を避けやすいです。

簡易タイムライン(目安)

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住戸条件解体組立仕上げ合計工期の目安
戸建て1日1日0.5〜1日2.5〜3日
集合住宅(標準)1日1日1日3〜4日
集合住宅(狭小・高層)1〜1.5日1日1日3.5〜4.5日

費用と工期の目安

本体グレードとサイズ、住戸条件で変動します。下表は1216〜1618クラスを想定した概算の目安です(税別・地域差あり)。

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グレード想定サイズ本体価格の目安工事費の目安合計の目安工期の目安
廉価(賃貸向け)1216/131725〜45万円35〜55万円60〜100万円3〜4日
標準(戸建コスト重視)1216/161645〜80万円40〜70万円85〜150万円3〜4日
高級(断熱・装備充実)1616/161880〜150万円50〜90万円130〜240万円3.5〜5日

📝 追加で発生しやすい項目
給湯器交換(能力不足・年式老朽)/追い焚き配管更新
段差解消・手すりなどバリアフリー対応
窓位置・梁欠きへの対応、開口の造作
換気乾燥機の機種アップ/200V化
・共用部の長距離養生(集合住宅の場合)

交換が適するケース

次のような状態は、交換が第一候補になります。

  • 🧱レイアウト変更:サイズを拡張する場合
  • バリアフリー改善:出入口の段差解消、浴槽跨ぎ高さの低減、洗い場拡張など構造変更が必要な場合。
  • 🔁 配管寿命対応:給水・給湯・追い焚き・排水等の配管の交換が必要な場合。

判断チェック
サイズ拡張や段差解消をしたい 

□ 配管等に不安がある

グレード別の選び方

要点
・目的(原状回復/快適性向上/デザイン)を先に決めると、ムダな機能を避けられます。
・同じグレードでも断熱・清掃性の有無で満足度が大きく変わります。
・賃貸は「施工速度と耐久性の両立」、戸建は「ランニングコストと快適性」を軸に選ぶと失敗が少ないです。

グレード別の比較表(代表的な仕様イメージ)

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項目廉価(賃貸向け)廉価(戸建コスト重視)高級(快適・上質重視)
清掃性標準パネル・標準床標準〜やや上位の床・カウンター撥水・防汚パネル、汚れにくい床形状
断熱なし/最低限断熱浴槽のみ採用が多い断熱パネル・浴槽+保温蓋+浴室暖房乾燥
収納・水栓ミラー付き収納棚・シンプル水栓金具使い勝手重視の棚・サーモ水栓タッチ水栓付デザインカウンター・ワイドミラー・間接照明
快適装備ほぼなし必要最低限換気乾燥機・暖房・節湯・保温天井・うたせ湯
デザインホワイト・アイボリーなどの定番色標準色+一部アクセント高意匠パネル・マット/タイル
想定シーン原状回復・短工期家計重視・基本性能確保長く使う主浴室・高級住宅
目安コスト帯低〜中中〜高

廉価グレード(賃貸住宅・短工期重視)

賃貸物件の原状回復と空室対策に向く構成です。費用対効果を考慮し、コストを優先します。

  • 🎯 狙い:短工期・清潔感の早期回復
  • 🧩 標準仕様の例:標準パネル/標準床/シンプル水栓・ミラー/基本換気
  • おすすめ追加
    • 🚿サーモスタット付きシャワー水栓
    • 🧹 汚れにくい床だけ上位へ(変色回避、メンテナンスサイクル長期化)
  • ⚠️ 注意点:色柄を冒険しすぎると次の入居者で好みが割れます。定番色+清潔感が基本です。

廉価グレード(戸建のコスト重視)

戸建で初期費用を抑えつつ、冬場の冷えや掃除の手間を最小化したい方向けです。

  • 🎯 狙い:毎日の使い勝手と冷え対策の費用対効果
  • 🧩 標準仕様の例:断熱浴槽/節湯サーモ水栓/やや上位の床材
  • おすすめ追加
    • 🛁 保温蓋(浴槽の湯持ち向上)
    • 🌬️ 低容量の換気乾燥機(洗濯補助・結露抑制)
  • ⚠️ 注意点:設備の電源容量(100V/200V)と既存配線の相性を必ず確認します。

高級グレード(断熱・清掃性・快適装備重視)

主浴室を長く快適に使いたい方向け。ランニングコストの低減や上質な質感を重視します。

  • 🎯 狙い:保温・清掃性・意匠の総合力
  • 🧩 標準仕様の例:断熱浴槽+保温蓋/撥水・防汚パネル/汚れにくい床形状/ワイドミラー・間接照明
  • おすすめ追加
    • 🌡️ 浴室暖房乾燥(ヒートショック対策)
    • 🚿 節湯シャワー+大流量切替(快適と節水の両立)
  • ⚠️ 注意点:意匠を優先すると手入れが増える仕上げもあります。お手入れとの相性も確認しましょう。

💡 選定のコツ(簡易フローチャート)

  1. 用途は? → 賃貸の回転重視 → 賃貸向け廉価 / 家族メイン
  2. 寒さ・掃除の悩みは? → 強い → 断熱浴槽+汚れにくい床を必須化
  3. 快適装備の優先度は? → 高い → 換気乾燥・暖房・照明をセットで検討
  4. 色は長期で飽きない? → ベースは定番、アクセントは最小面積

📌 まとめ
グレードは清掃性と断熱のラインで体感が大きく変わります。まずは「誰が、どんな頻度で使うか」を起点に決め、必要機能だけを上位化するとコストと満足度のバランスが取りやすいです。次章では、浴槽の材質比較に進み、耐久性や手入れのしやすさを素材から見極めます。

浴槽の材質比較(FRP・人工大理石・ステンレス)

比べる視点
・質感(見た目) ・耐久性(傷・ひび割れ) ・経年変化(変色・くもり)
・清掃性 ・重量(施工性) ・再生のしやすさ(塗装/補修の相性)

材質の早見表

材質質感耐久性(傷・ひび割れ)経年変化(変色・光沢劣化)清掃性重量再生相性(塗装/補修)
FRPあたたかめ・柔らかい傷が付きやすく、ひび割れしやすい変色しやすく、光沢劣化が早い汚れ落ちは良好(初期段階)軽い(ライニング+塗装で回復しやすい)
人工大理石(ポリエステル系)しっとり・高級感硬くてひび割れには強い、衝撃・歪みで割れることも変色が起きやすい皮脂汚れは拭き取りやすいが水垢は付着する事も~◎(下地処理にコツ)
人工大理石(アクリル系)なめらか・透明感硬くてひび割れには強い、衝撃・歪みで割れることもかなり変色しにくいかなり良好。水垢が付着しにくい中〜やや重い(プライマー選定が重要)
ステンレスひんやり・金属感衝撃・熱に強い/細傷は目立ちやすい変色しにくいが水垢が付着中性洗剤で良好だが、水垢は取れない軽〜中(業者選びが重要)
カラーステンレスあたたかめ・柔らかい熱に強いが、塗膜剥離が起こる事も変色しやすく、光沢劣化が早い汚れ落ちは良好(初期段階)軽〜中(業者選びが重要)

FRP浴槽:特徴と塗装・補修の相性

  • 🧴 体感・清掃:表面はゲルコート層で、あたたかめの手触りです。中性洗剤での日常清掃で美観を保ちやすい
  • 🛡️ 耐久・経年:衝撃に強い一方、変色しやすく表層の細傷やひび割れが発生。種類によっては大きなひび割れが発生する事も
  • 🧰 再生のしやすさFRPライニングで強度回復→塗装で意匠回復がしやすく、再生工事との相性はとても良い
  • ⚠️ 注意:クレンザー等の研磨剤は細傷の原因になります。塩素系洗剤の放置も変色のもと

人工大理石(ポリエステル系):特徴と注意点

  • 体感・見た目:しっとりとした艶と硬さがあり、硬質な高級感がある
  • 🧪 経年傾向変色・膨れ(ブリスター)が素材特性として出やすいケースがあり、衝撃や歪みで大きなひび割れが発生する事も
  • 🛠️ 再生相性:下地の脱脂・足付けを適正化すれば塗装での意匠回復は可能。研磨での艶戻しは可能だが限界がある
  • ⚠️ 注意:シンナー類・強い溶剤は白化や割れの原因となりやすいため避ける

人工大理石(アクリル系):特徴と注意点

  • 💎 体感・見た目:透明感のあるなめらかな質感で、上質な印象
  • 🧲 耐久・経年:変色しにくく小傷に強いが、衝撃や歪みで大きなひび割れが発生する事も
  • 🧰 再生相性:適正プライマーを使用すれば意匠性回復は可能
  • ⚠️ 注意:物を落とすと簡単に割れる場合があるので、注意が必要

ステンレス/カラーステンレス:特徴と意匠性

  • 🧊 体感:樹脂に比べると熱伝導が高く触れ始めはひんやりするが、湯張り後は安定
  • 🔩 耐久:衝撃・熱・耐久に優れ、割れが起きにくい素材。カラーステンレスは塗膜(とまく:塗料の膜)の剥離が発生する事も
  • 🎨 意匠再生:ステンレス浴槽は専用プライマー+塗装で金属感を無くした仕上がりに。カラーステンレスは劣化塗膜を除去・下地調整したうえで再塗装により意匠を復旧で可能
  • ⚠️ 注意:ヘアピンなどの金属小物を浴室内に置きっぱなしにするともらい錆が発生するので注意が必要

🏆 プロのおすすめ

浴槽の材質は、人工大理石(アクリル系)を第一候補におすすめします。なめらかな質感と黄変しにくさに加え、小傷も研磨で整えやすいのが利点です。廉価グレードでは追加費用が発生しがちですが、満足度と耐久性を考えると差額以上の価値があります。

人大は経年劣化しにくい!

📌 まとめ
見た目・耐久性・手入れのしやすさは素材で大きく変わります。住戸の使われ方(賃貸かファミリー使いか)に合わせて素材特性を選ぶと、満足度とメンテナンス性の両立につながります。次章では、劣化症状と原因を整理し、状態に合った判断が出来るように解説します。

劣化症状と原因の整理

ここで押さえるポイント
・症状ごとに原因の筋道を知ると、対処の優先順位が決めやすくなります。
・同じ「汚れ」「割れ」でも、素材・位置・広がり方で意味が変わります。
・まずは見分け進行度の把握が近道です。

浴槽のひび割れの原因と進行度合い

  • 🔎 ひびの種類
    • 表層クラック:表面だけの細い線(ヘアークラック)。爪先で触ると段差感が確認できない程度。
    • 進行したクラック:表層クラックが進行した物。爪で触ると段差感あり、ほおっておくと水漏れの原因に
    • 貫通クラック(完全な割れ):衝撃による割れ。水が漏れる
  • 📍 出やすい場所:主に底面(排水周辺やR部分も)、水が溜まる箇所以下の立面。
  • 🧪 傷がクラックかの簡易チェック
    1. カッターの刃先でかるくなぞる
      • 音がしない場合は傷
      • カチカチと音がすればクラックの可能性大
  • 🧠 主な原因
    • 表層クラック:加水分解による経年劣化
    • 完全な割れ:応力集中(踏み抜き・一点荷重)、衝撃

壁面の割れ・膨れ・サビ(鋼板パネルの腐食)

  • 🧱 よくある症状
    • 裏側からのサビ→膨れ:フィルム下で錆が膨張し、押すとプニプニと柔らかい(水が溜まっている)。
  • 🔍 原因の筋道
    1. 結露によって、壁面裏側の下部に水滴が付着
    2. 下地鋼板が赤錆化→体積膨張
    3. 表層シートを押し上げ膨れとして可視化

⚠️ 注意:外観がきれいでも裏側で錆が進むことがあります。ふくらみ・浮きの触感があれば、早めの状態把握が大切です。


洗い場床の劣化・滑り・たわみ

  • 👣 滑り
    • 表面のノンスリップ加工の摩耗
    • 皮脂・石鹸カスによる膜化
  • 🔊 たわみ・きしみ音
    • 床パン(FRP)の構造疲労による剛性低下
    • 床パン支持のズレ・劣化

カビ・水垢・目地汚れが定着するメカニズム

  • 🌡️ 条件:温度(20〜30℃)、湿度、栄養(皮脂・石鹸成分)が揃うと、カビはバイオフィルムを作り定着
  • 💧 水垢(スケール):水道水中のカルシウム・シリカが乾燥で析出(せきしゅつ:液状の物質から結晶または固体状成分が分離して出てくること)し、白く固着。乾拭きを習慣とする事で予防可能です。
  • 🌬️ 換気不足:換気扇能力の低下・ドア下の給気不足で乾き残りが常態化します。
  • 🕒 習慣要因:入浴後の温かい壁に冷水をさっとかけるだけでも一時的に表面温度を下げ、結露と付着を抑えやすくなります。

🧩 まとめ
どこに・どれくらい・触るとどうか——この3点が分かれば原因と進行度が見えてきます。
次は交換と塗装を〈費用・工期・見た目・耐久性〉でシンプルに比べていきます。

交換と塗装の比較

ここでの結論
交換は「構造ごと整える」選択。レイアウト変更やバリアフリーまで対応できます。
塗装は「短工期で美観を回復」する選択。ダウンタイム※お風呂が使えない期間を短くしやすいです。
補修+塗装は「強度回復+意匠刷新」の中間解。ひび・サビ等を直してから仕上げます。

比較表:交換 vs 塗装 vs 補修+塗装(再生)※1216サイズ

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項目交換(入れ替え)塗装(全面)補修+塗装(再生)
初期費用の目安中〜高(例:100〜200万円台)低〜中(例:15〜20万円台)中(例:20〜35万円台)
工期の目安3〜5日1〜2日2〜3日
ダウンタイム⏳ 長め⏱️ 短い⏱️〜⏳ 短い~中程度
仕上がり✨ 新品同等+設備一新🎨 色・質感を刷新🛠️ 強度回復+🎨意匠刷新
耐久の目安*15〜20年10~15年10~15年
できることレイアウト変更/断熱強化/バリアフリー色替え/美観回復/清掃性向上ひび・サビの補修+美観回復
できないこと大規模レイアウト変更大規模レイアウト変更

*使用頻度・清掃方法・環境で変動します。

短工期の価値
賃貸・宿泊施設では1日早く再開できるだけで、機会損失を抑えられます。塗装や補修+塗装は工期が読みやすいため、募集・稼働計画に組み込みやすいのが利点です。

📌 判断の目安

  • サイズ変更・バリアフリー化 → 交換リフォームを第一候補に
  • 下地は健全・主な目的は美観や清掃性 → 塗装で効率よくリフォーム
  • ひび・膨れが局所+強度も気になる → 補修+塗装で再生リフォーム

次章では、入れ替えない選択:ユニットバス塗装をもう少し掘り下げ、適する状態・得られる効果・注意点を整理します。


入れ替えない選択:ユニットバス塗装の活用

この章の要点
・下地が健全なら、ローコスト・短工期で見た目と清掃性を回復できます。
・色・質感の更新で印象を一新し、募集写真や満足度に直結します。
・必要な補修は規模により費用差が大きいため、先に状態把握が重要です。

補修の有無の状態判定

ユニットバス塗装はコストを抑えた有力手段ですが、ひび・膨れ・腐食などの補修が伴うと費用が上がる場合があります。まずは現状を正しく見極めましょう。

まず確認する3ポイント

  • 🛁 浴槽:ひび割れの有無、表層の膨れ・剥がれの有無
  • 🧱 壁面:特に下部の膨れ、壁と床の継ぎ目(コーキング)からの錆び汁の有無
  • 👣 床面:踏むとふかふかしないか(強度低下のサイン)

補修費用の目安

※金額は目安(税別)。範囲・下地状態・住戸条件で増減します。

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部位/状態目安費用コメント
浴槽:変色・小傷のみ追加なしあまりにもガサガサがひどい場合は、補修費が必要になる事も
浴槽:表層クラック(ヘアークラック等)3〜5万円早期対応なら低コストで収束
浴槽:進行したクラック(複数・長尺)5〜10万円範囲・深さで変動
浴槽:貫通クラック(約30cm目安)6〜12万円強度確保の下地補強が前提
床パン:たわみ・割れ10〜15万円開口・支持補強(束等)が必要
壁面下部:腐食・膨れ5〜10万円補修高さ・面積で変動

ポイント早めの対応ほど低コストで収まりやすいです。症状が広がる前に診断と計画を進めましょう。

塗装で得られる効果(美観・清掃性・印象)

  • 🎨 色・艶の刷新:ホワイトやアイボリーの変色・黄変を一掃。美観が回復
  • 🧹 清掃性の向上:滑らかな塗膜で汚れの再付着を抑えやすく、日常の手入れが楽に
  • 📷 見映えの向上:写真・内見での印象UP。賃貸・宿泊施設は空室・休業の短縮に寄与
  • 🔁 既存活用:レイアウトや設備はそのまま、短工期で仕上げ可能

⚠️ 避けたい誤解
「塗装=漏水が止まる」ではありません。塗装は美観の回復が主目的です。漏水している場合はFRPライニング等、別途の対処が必要です。

補修+塗装で再生する工事フロー

ここでわかること
・補修を行ってから仕上げる一連の流れ
・素材別の要点(FRP/鋼板)と失敗しにくいコツ
・仕上がり品質を左右するチェックポイント

FRPライニングで強度を回復(浴槽のひび割れ)

代表的な手順(要点)

  1. マーキング:補修の必要な範囲を特定し、マーキングします。
  2. 段差処理/研磨:段差がある場合は段差をなくして、廻りの健全層まで足付けします。
  3. 脱脂・乾燥:油分・水分を除去(ここでの甘さが密着不良の主因です)。
  4. 積層(ライニング):ガラス繊維+ポリステル樹脂を層状に積み、脱泡して硬化。
  5. 調整:研磨→エポキシパテで整え、非補修箇所と違和感なく仕上げます。
  6. 下塗りへ:プライマー前に最終脱脂・除塵を徹底します。

適用の目安

  • 表層クラック:ガラスクロスで十分なケースが多いです。
  • 進行クラック・貫通:ロービングクロス、チョップドストランドマットで強度確保を優先します。

💡 コツ:硬化収縮を見越して複数回で積層すると、ひずみ・段差を抑えやすいです。

鋼板パネルのサビ補修

代表的な手順(要点)

  1. 打診・範囲確定:膨れの境界を見極め、浮き部を除去します。
  2. 素地調整(ケレン):サビを除去します。
  3. 防錆下塗り:防錆(錆転換剤)を端部を中心に塗布。
  4. バックアップ:欠損箇所に発泡ウレタン等のバックアップ材を仕込みます。
  5. シーリング更新:目地・取り合いは先打ち/後打ちの納まりを明確に。
  6. 下塗り→上塗りへ:仕上げ工程へ。

仕上げ塗装の基本工程(研磨→脱脂→プライマー→トップ)

標準フロー

  1. 全面足付け研磨:素地を均一に粗し、密着面を作ります。
  2. 脱脂・除塵:シリコーン残渣・可塑剤を徹底除去。ウエスの繊維残りにも注意します。
  3. プライマー:素材(FRP/人工大理石/ステンレス)に適合した下塗りを選定。
  4. トップコート:素材(FRP/人工大理石/ステンレス)に適合した上塗りを選定。均一に仕上げます。
  5. 硬化・点検:所定硬化後に通水・目視・触診チェックを実施します。

📌 まとめ:
補修 →調整 → 仕上げ」の順で丁寧に積み上げることが、美観と耐久の両立に直結します。次章では、部分施工でコスト最適化する考え方を紹介します。

部分施工でコスト最適化

要点
・気になる部位だけを手当てして、工期と費用を最小化します。
・賃貸・宿泊施設ではダウンタイム(お風呂が使えない期間)短縮に直結します。
・範囲を絞るほど、仕上がりの統一感とのバランス調整が大切です。

部分施工の比較早見表(目安)

方式範囲工期目安費用目安*主な効果注意点
壁下部のサビ補修のみ壁下端〜腰高程度0.5~1日5〜12万円膨れ・サビの進行抑制、見た目回復未施工部との色・艶質感差が目立つことがある
洗い場床のシート施工床一面0.5〜1日6〜15万円防滑・断熱・清掃性の改善端部で段差が出来る場合がある
浴槽のみ塗装
※補修費含まず
浴槽内外1日8〜20万円美観の回復周囲との質感差が出る場合あり

*住戸条件・面積・下地状態で増減します(税別の目安)。


壁面下部のサビ補修のみ実施

  • 🎯 狙い:膨れ・サビが下部に集中しているケースで、進行を抑えつつ見た目を整えます。
  • 🔎 適する状態:点サビ〜帯状の膨れが腰高程度まで
  • 🛠️ 流れ(要点
    • 範囲特定・養生 → 膨れ除去・ケレン → エポキシ系防錆→ バックアップ
      • パネル張り付け(装飾シート仕上げ)
  • ⏱️ 工期目安:0.5~1日
  • 🧭 注意:膨れが腰高以上にわたる場合は、部分施工より全体的にパネルを上張りする方が合理的なことがあります。

洗い場床のシート施工(防滑・断熱・冷たさ対策)

  • 👣 効果:防滑性のあるエンボス加工、足裏の冷たさ軽減、汚れの拭き取りやすさが向上します。
  • 🧩 シートの選び方
    • 目地なし一枚貼りで清掃性アップ
    • カラーは明るめ中間色、柄が良く出ている方が汚れの見え方に有利(バスナリアルデザイン等)
  • 🛠️ 流れ(要点)
    1. 既存床の脱脂・研磨 → 2) 段差や欠けの補修 → 3) プライマー → 4) シート貼り・圧着 → 5) 端部コーキング
  • ⏱️ 工期目安:0.5〜1日(工事翌日の夕方から入浴可能)
  • ⚠️ 注意:床パンのたわみ・割れがある場合は、支持補強・FRPライニング補強が必要になる場合があります。

浴槽のみ塗装

  • 🎨 効果:黄ばみや艶ムラを解消し、美観を大幅に回復します。
  • 🔎 適する状態:天井・壁面・床面は綺麗。浴槽だけ変色している・汚れている場合。
  • 🛠️ 流れ(要点)
    1. 全面足付け研磨 → 2) 脱脂 → 3) 素材適合プライマー(FRP・人工大理石・ステンレス)→4)トップコート
  • ⏱️ 工期目安:1日(工事翌日の夕方から入浴可能)
  • ⚠️ 注意:浴槽だけ新しくすると周囲との質感差が出る場合があります。

📌 まとめ
いま一番気になる部位から整える」ことで、短工期・低コストで体感を底上げできます。次章では、施工事例を通じて、工期・見え方の変化を具体的に確認します。

施工事例|ユニットバスは塗装でここまで変わる

写真付きの詳しい事例は、施工例ページInstagramで随時更新しています。ここでは、よくご相談をいただくパターンを中心に、施工例を紹介します。ご検討時の参考にしてみてください。

ひどく汚れたユニットバス

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項目内容
場所大阪市中央区
課題ひどい汚れと変色
実施内容浴槽用特殊樹脂塗料でユニットバス全面塗装
効果明るいアイボリーで清潔感のあるユニットバスに変身
工期1日半(洗面ボール塗装含む)
施工前のユニットバス。天井と壁が汚れと変色でくすんでいる
施工前|天井・壁の汚れと変色
天井と壁面に汚れや黄ばみが広がり、全体がくすんで見える状態
施工後のユニットバス。天井と壁が照明を反射している
施工後|天井・壁が照明を映す仕上がり
天井と壁に艶が戻り、照明がはっきり映り込むほど清潔感が回復
施工前の浴室。浴槽と床にひどい汚れが残っている
施工前|浴槽・床の重度汚れ
浴槽と床面に黒ずみや水垢が蓄積し、清掃では落ちにくい状態
施工後の浴室。浴槽と床がアイボリーで艶やかに仕上がっている
施工後|明るいアイボリーで一新
槽と床を明るいアイボリーに仕上げ、清潔感と統一感が生まれた

カラーステンレス浴槽・床タイルのユニットバス

スクロールできます
項目内容
場所大阪市西区
課題カラーステンレス浴槽の塗膜剥離とタイル汚れ
実施内容浴槽は劣化塗膜剝離後、ステンレス浴槽用プライマーとトップコートで塗装
床面は目地を樹脂モルタルで補修後、浴室床用シートオフロアを施工
効果最小限のコストで、必要箇所のみを的確にリフォーム
工期1日半
施工前の浴室。色あせたカラーステンレス浴槽と汚れた床タイルが見える
施工前
くすみの出たカラーステンレス浴槽と汚れが目立つ床タイル

施工後
浴槽は清潔感のあるオフホワイト塗装、床は周囲のステンレスに調和するグレー

ユニットバス壁面下部1面だけの補修

スクロールできます
項目内容
場所大阪府大東市
課題補修したパネルの劣化と廻りのサビ再発生
実施内容既存の補修パネルを撤去し、下地をサビ除去・防錆処理のうえ、既存色に近いシート加工パネルを新規貼り付け。周囲との色差を抑えた仕上がり
効果最小限のコストで、必要箇所のみを的確にリフォーム
工期半日
施工前の浴室壁面。以前に補修したパネルが劣化し、境界周辺にサビが再発している
施工前
過去補修パネルの劣化と周囲のサビ再発
施工後の浴室壁面。既存色に近いシート加工パネルに更新し、全体の統一感を確保している
施工後
近似色シート加工パネルで違和感の少ない仕上がり

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まとめ

ユニットバスの汚れ・ひび割れ・壁のふくらみ……「交換? それとも塗装や補修?」という迷いは、条件で切り分けるとすっきり決まります。
最後に、交換・塗装・補修を〈費用・工期・仕上がり〉の視点でコンパクトにまとめます。

  • 交換が有効:レイアウト変更/バリアフリー化/配管の交換が必要な場合。
  • 塗装の役割:下地が健全なら、短工期・低コストで美観を回復。レイアウトはそのまま活かせます。
  • 補修+塗装の使いどころ:ひび・膨れ・サビなどの局所ダメージは、FRPライニングや防錆を行ってから仕上げ。
  • 部分施工で費用最適化:壁下部の補修/床シート/浴槽のみ塗装など、気になる箇所だけリフォームする方法が有効

レイアウト変更・バリアフリー・配管交換が不要なら、まずは塗装や補修+塗装、あるいは部分施工で必要なところだけをリフォームするのも手です。あなたの現状に合わせて、最小コストで最大効果の一手を選んでください。

ユニットバスの交換・塗装・補修に関するよくある質問(FAQ)

  • 塗装・補修+塗装ともに10〜15年が目安です(使用環境・清掃方法で変動)。

  • レイアウト変更・バリアフリー化・配管の交換が必要なときに有効です。これらが不要なら、塗装や補修+塗装を優先して検討します。

  • いいえ。塗装は美観回復が主目的です。漏水や構造の問題は、FRPライニングなど別途の対処が必要です。

  • 交換は3〜5日、塗装は1〜2日、補修+塗装は2〜3日が目安です(規模により変動)。

  • 塗装(全面)は15〜20万円台、補修+塗装は20〜35万円台、交換は本体・工事含め60〜240万円程度(サイズ・仕様で変動)。

  • 壁下部補修・床シート・浴槽のみ塗装などは有効ですが、未施工部との色・艶・質感差床端部の段差に注意が必要です。

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担当スタッフが丁寧にご案内いたします。

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この記事を書いた人

株式会社ビューティーメイク 代表取締役
水廻り再生リフォーム歴32年

日々、浴室・浴槽塗装、キッチン塗装等、パネル・シート施工等、水廻りの再生リフォームを研究しております。
少しでも皆様に再生リフォームを知っていただく為、わかりやすくお役に立てる記事を書いていきます。
水廻り再生リフォームに、ご不安やご不明な点、ご質問があれば
お気軽にご相談下さい。

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