ユニットバス・在来浴室・システムバスの違いとは?費用・工期・選び方完全ガイド

浴室リフォームを検討していると、「ユニットバス」「システムバス」「在来浴室」といった言葉をよく目にするのではないでしょうか。
これらは構造や施工方法、デザイン性、コスト、工期などに大きな違いがあり、選択を誤ると「思ったより費用がかかった」「工期が長引いて営業に影響が出た」といったトラブルの原因になります。

本記事では、法人(ホテル・賃貸物件・商業施設)と個人(戸建・マンション)の両方に向けて、以下をわかりやすく解説します。

✅ ユニットバス・在来浴室・システムバスの違い
✅ 在来浴室をパネル・シートでリフォームする方法
✅ 目的別のおすすめリフォームスタイル

これを読めば、あなたの物件やご家庭に最適なリフォームの方向性が見つかります。

目次

ユニットバス(システムバス)とは何か

ユニットバス(システムバス)は、浴槽・壁・床・天井などが工場で一体成型され、現場で組み立てるタイプの浴室です。規格化されたパネル構造により、施工性や防水性が高く、全国の新築住宅やリフォーム現場で広く採用されています。
また、汚れが溜まりにくい設計で日々のお手入れも簡単です。

短期施工を実現できるため、ホテルや賃貸物件など短納期を求められる現場にも適した選択肢となっています。

集合住宅のユニットバス
集合住宅のユニットバス(一例)
戸建て住宅のユニットバス
戸建て住宅のユニットバス(一例)

ユニットバスの特徴

  1. 短工期・低コスト
    工場生産のため品質が安定しており、現場での組み立ては最短1~3日で完了します。これにより、ホテルや賃貸物件など営業停止を避けたい施設にとっても大きなメリットです。
  2. 高い防水性と気密性
    一体構造のパネルとジョイントで隙間を最小限に抑え、水漏れリスクを大幅に軽減。さらに断熱性能にも優れ、冬場のヒートショック対策にも貢献します。
  3. 清掃性の高さ
    目地や凹凸が少ないデザインで、日常の掃除も簡単。カビが発生しにくい仕様は、個人住宅でも人気です。

ユニットバスの適用事例

用途適用例
🏨 宿泊施設ホテル・商業施設での短期リニューアル
🏢 賃貸物件入退去時の早期リフォームで空室対策を実現
🏠 個人住宅断熱性・清掃性重視でファミリー層に人気

ユニットバスのデメリット

一方、ユニットバスはサイズやデザインの自由度に制限があります。既存の浴室スペースが特殊な形状の場合、オーダーメイド対応が難しい点は注意が必要です。

また、リフォームの際には部分的な交換ができない場合が多く、浴槽の交換もほとんどの場合で不可能です。
その為、浴槽を交換したい場合は全体の交換が必要になります。

在来工法の浴室とは何か

在来工法浴室はタイルやモルタルを現場で施工して作り上げる伝統的な手法です。
設計の自由度が高く、間取りや素材のカスタマイズが可能ですが、工期が長く、防水性能も下地次第で左右されるという課題もあります。
ただし、天然石やタイル、木材などを使った高級仕上げができる点は、大きな魅力です。

在来浴室
在来浴室

在来工法浴室の特徴

特徴詳細
🎨 デザイン自由度タイル・天然石・木材など多彩な素材を選べ、間取りに合わせたオーダーメイドが可能。
🏗️ 柔軟な対応力狭小スペースや変形浴室にも施工可能で、既存構造を活かせるケースが多い。
⏳ 工期の長さ防水層やタイル施工に時間がかかり、工期は1~2週間が目安。

在来浴室の適用事例

用途適用例
🏨 高級旅館天然石など、天然素材を用いた高級感ある浴室空間
🏢 個人宅 リフォーム既存浴室の部分補修やデザイン重視のリフォーム
部分リフォーム可能
🏠 個人宅 新築タイル張りのレトロな浴室を好む方、デザインにこだわる家庭

デメリット

デメリット項目詳細
⏳ 工期が長い在来工法は防水層の施工やタイル乾燥期間が必要で、平均1.5〜3週間程度かかるケースが多いです。ホテル・賃貸ではこの期間営業停止になることもあり、収益機会損失が発生します。
💰 費用が割高材料費も高く、工期が必要な分作業人工もかかるので
ユニットバスより20〜50%高い傾向です。例えばユニットが120万円なら、在来は約150〜180万円になることもあります。
💧 防水性能は下地依存防水はモルタル下地+防水層の施工精度に大きく左右されます。施工不良があると数年で水漏れやカビ発生のリスクが高まります。集合住宅では特に重大なトラブル要因です。
🔁 定期メンテナンス必須タイル目地やコーキング部分の劣化を防ぐため、5〜10年ごとの防水補修・コーキング打ち直しが推奨されます。怠ると漏水→階下被害のリスクが高まります。

このように、在来工法はデザイン性や自由度は高い一方で、施工技術・メンテナンスの重要性が非常に高い工法です。

🔄 比較:ユニットバス vs 在来浴室

ユニットバス(システムバス)と在来工法浴室は、見た目は似ていても構造・工期・コスト・メンテナンス性に大きな違いがあります。
例えば、ホテルや賃貸物件のリフォームでは短期施工・防水性能の高さが重要視される一方、個人住宅ではデザイン性や素材の自由度を重視する方も少なくありません。

この章では、両工法のメリット・デメリットを表形式で比較し、それぞれの特徴がどんな場面で活きるのかを解説します。
「どちらが良いか迷っている」という方は、この比較をもとに自分に合った浴室リフォームの方向性を見つけてください。

比較項目ユニットバス(システムバス)在来工法浴室
⏱️ 工期1〜3日(短い)1〜2週間(長い)
💰 費用相場70〜150万円100〜200万円
💧 防水性一体構造で高い下地状態により左右される
🎨 デザイン自由度規格内で選択自由度が高い
🧽 メンテナンス性清掃しやすく、カビが発生しにくい目地掃除・防水層点検が必要
♿ バリアフリー性バリアフリー設計対応品が多い設計時に配慮が必要

在来浴室を丸ごと作り替えるのではなく、壁・床・天井にパネルやシートを施工することで、防水性・美観を向上させる工法です。工期短縮・コスト削減の効果があり、法人施設でも注目されています。

🛠️ 在来浴室をパネル・シートでリフォームする方法

在来浴室は長年の使用によって、タイルのひび割れ、目地のカビ、さらには床の冷たさや滑りやすさなど、さまざまな劣化が目立つようになります。
しかし、全面改修となると高額な費用や長い工期がネックになり、「なるべくコストを抑えたい」「短納期で改修したい」という声も少なくありません。

そこで注目されているのが「パネル・シート施工」です。この工法は、既存の壁・床の上から防水性と耐久性に優れた専用パネルやシートを施工することで、短工期・低コストで浴室を一新ホテル・賃貸住宅なら客室の稼働率を維持しながら改修でき、個人住宅なら家族の生活への影響を最小限に抑えられます。

主な施工パターン

部位施工方法
天井・壁樹脂パネルを上貼りし、防水性とデザイン性をアップ
浴槽浴槽用特殊樹脂塗料で塗装
防滑加工の浴室床シートで安全性・清掃性を確保
(バスナシリーズなど)

メリット・デメリット

項目内容
✅ メリット短工期・低コストで防水性向上。デザインのリフレッシュ効果も大。
⚠️ デメリット排水設備などは現状のまま残る

実際の施工例(ビフォー・アフター)

では、実際の施工事例を見ていきましょう。
賃貸物件の在来浴室です。タイルにひび割れがあり、ステンレス浴槽で古めかしい感じが否めません。

在来浴室
浴槽を塗装した在来浴室

まず、ステンレス浴槽を清潔感のある白色に塗装しました。これだけで浴室全体が明るくなり、古さを感じさせない爽やかな印象に変わっています。

在来浴室
パネル・シートでリフォームした在来浴室

天井と腰上壁面には爽やかな白のパネル、腰下には高級感漂う濃い木目調パネルを張り、床はアイボリーの浴室床用シートで柔らかな雰囲気を演出しました。
以前の在来浴室にあった重厚感は完全に消え、ユニットバスのようなスタイリッシュで快適な空間へと生まれ変わりました。この浴室なら新しい入居者にも強くアピールできます。

パネル・シートを使用したリフォームなら、工期は3日間、費用は在来浴室からユニットバスに変更した場合の半分以下の費用でリフォームが可能です。

🛁 ハーフユニットなどの中間選択肢

ハーフユニットは、在来浴室とユニットバスの中間に位置するリフォーム方法です。浴槽と床はユニットバスの防水性の高いパーツを使用し、壁や天井は在来工法で仕上げるため、防水性能とデザイン自由度の両立が可能です。

天井と壁面はモルタル造りのハーフユニットバス

🔹 ハーフユニットの特徴と仕組み

  • 防水性:床・浴槽は工場製パーツを組み込み、水漏れリスクを軽減。
  • デザイン:壁や天井はタイル・木材・パネルなど自由に選べる。
  • 工期:ユニットバスよりは長めだが、在来浴室より短い1〜2週間程度。

🔹 メリット・デメリット

項目内容
✅ メリット防水性とデザイン性を両立。施工費用もフル在来より抑えられる。
⚠️ デメリット壁の防水施工の質が仕上がりを左右。完全な一体型ではないため注意。

🔹 適用事例

  • 🏨 法人施設:デザイン重視の温泉旅館、リゾートホテル
  • 🏠 個人宅:自然素材を活かした浴室空間を希望する戸建ユーザー

ハーフユニットは、防水性能と意匠性のバランスを求める場合に最適な選択肢です。コストと工期の面でも、フル在来工法より導入しやすい点が評価されています。

🛠️ リフォーム成功のポイント

浴室リフォームを成功させるためには、工法やデザイン選びだけでなく、事前の準備や業者選びの段階でどれだけ適切に判断できるかが大きなカギになります。法人・個人問わず、次のポイントを押さえることで施工後の満足度が格段に高まります。

スペース・採寸と規格最適化

リフォームの第一歩は正確な採寸です。ユニットバスはミリ単位で規格品が合わないことがあり、現場調査での確認が必須。間取りに合った工法を選択することが失敗回避につながります。

下地状態の確認と補修

特に在来浴室では、壁や床下の劣化、カビ、腐食などが隠れているケースも。下地の状態を見極め、必要に応じて補修を行うことがリフォーム後のトラブル防止に直結します。

施工業者選びと相見積もり

信頼できる施工業者を選ぶことは最重要ポイント。相見積もりを取り、実績や口コミ、提案力を比較検討しましょう。対応の良さも大事です。保証やアフターサービスの有無もしっかり確認してください。

デザインと機能の最適化

壁パネルのカラーやタイルのデザイン、照明プランなど、細部の工夫で浴室全体の印象が大きく変わります。法人施設はブランドイメージとの調和、個人宅は家族構成に合わせた快適性を意識すると良いでしょう。。

個人向け:断熱・衛生・安全性重視

ヒートショック対策として高断熱浴槽や浴室暖房乾燥機の設置を検討。さらに、滑りにくい床材や手すり設置など安全性の向上も重要です。

これらのポイントを踏まえた計画を立てることで、法人・個人を問わず理想の浴室リフォームが実現できます。

総まとめ:目的別おすすめリフォームスタイル

ユニットバス、在来浴室、パネル・シートリフォーム、ハーフユニット。それぞれの工法は、施工方法・コスト・工期・デザイン性に特徴があり、目的やニーズによって最適な選択肢が異なります。

目的別おすすめ工法

目的おすすめ工法
🏨 法人(短期改修)ユニットバス or パネル施工
🏢 賃貸物件パネル・シート工法
🏠 個人(コスト重視)パネル・シート工法
🎨 デザイン重視在来工法浴室 or ハーフユニット

✅ 成功のポイントまとめ

  • 法人施設:営業停止リスクを減らす短工期工法を優先
  • 個人住宅:家族構成・ライフスタイル・予算を重視
  • 共通:信頼できる施工業者の選定と事前調査が重要

最終的には、予算・工期・デザイン性のバランスを見極め、「何を最優先にするか」を決めることが成功の秘訣です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. ユニットバスと在来浴室のリフォーム費用はどちらが安いですか?

ユニットバスは70〜150万円が相場で、在来浴室より比較的低コストです。在来浴室は100〜200万円と高めですが、素材やデザインの自由度がある分、費用も上がりやすいです。

Q2. 在来浴室のパネル・シートリフォームは何年くらい持ちますか?

適切な施工であれば、10〜15年の耐用年数が期待できます。ただし、下地の状態によっては耐久性に差が出るため、施工前の調査が重要です。

Q3. 法人施設で営業停止を避けるためにはどの工法がおすすめですか?

最短1〜3日で工事が完了するユニットバスパネル・シートリフォームがおすすめです。これらはホテル・賃貸物件などの短期改修にも適しています。

Q4. ハーフユニットはどんな住宅に向いていますか?

防水性とデザイン性を両立したい戸建住宅に最適です。床と浴槽はユニット化されており防水性が高く、壁や天井はタイルや木材など好みの素材を選べます。

Q5. リフォーム業者を選ぶ際のポイントは?
  • 相見積もりを取る
  • 実績・口コミ・保証内容を比較
  • 対応の良さ、保証とアフターサービスの有無

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この記事を書いた人

株式会社ビューティーメイク 代表取締役
水廻り再生リフォーム歴32年

日々、浴室・浴槽塗装、キッチン塗装等、パネル・シート施工等、水廻りの再生リフォームを研究しております。
少しでも皆様に再生リフォームを知っていただく為、わかりやすくお役に立てる記事を書いていきます。
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