浴室の印象を左右する浴槽。長年使用したFRP(繊維強化プラスチック)浴槽は、ひび割れ・割れ・変色などの劣化が目立ちやすくなります。リフォームで交換となれば数十万円〜100万円以上の費用がかかりますが、FRP浴槽塗装なら費用を大幅に抑えつつ、新品同様の美しさを取り戻すことが可能です。
本記事では、FRP浴槽の塗装・補修の基礎知識、FRPライニングによる補強・補修方法、費用相場、施工事例、失敗しない業者選びまでを分かりやすく解説します。
FRP浴槽塗装とは?交換との違いとメリット
FRP浴槽塗装は、既存の浴槽を活かしながらひび割れ補修や変色の改善を行い、美観と耐久性を取り戻す工法です。
浴槽交換と比べて費用・工期ともに大幅削減できるため、ホテルや賃貸物件など営業停止を避けたい施設から、一般家庭まで幅広く選ばれています。
本章では、その仕組みと交換との違い、メリットを詳しく解説します。

FRP浴槽の特徴や他素材との違い、補修方法について詳しく知りたい方は、
こちらの記事をご覧ください。
FRP浴槽の特徴と劣化原因(ひび割れ・割れ・変色)
- 表面のゲルコート劣化で黄ばみ・茶色化・艶消失が発生しやすいです。
- 衝撃や経年でひび割れ・割れが起き、放置すると水漏れやカビの原因になります。
- 浴槽表面のザラつきは清掃性の低下にもつながります。
ポイント:劣化の初期段階なら塗装だけで十分に再生できます。
浴槽交換との費用・工期の比較
- 交換:30〜100万円以上、工期3〜7日
- 塗装・補修:8〜15万円程度、工期1〜2日
法人(ホテル・賃貸・施設)では営業停止を抑えられる短工期が高評価です。
補修・塗装が選ばれる理由(法人・個人別のメリット)
- 法人:空室期間短縮、低コスト改修、部分施工が可能
- 個人:高額リフォーム回避、カラー変更で印象一新、衛生性アップ

浴室塗装の長所や注意点についてさらに深く理解するには、
こちらの記事が参考になります。
FRP浴槽塗装の下地処理と補修の工程
FRP浴槽塗装の仕上がりと耐久性は、塗装前の下地処理と補修の丁寧さで大きく変わります。
まずは全体の流れを簡単に確認してから、それぞれの工程を写真付きで詳しく解説します。
下地処理と補修の流れ(ステップ一覧)
– カビや水垢を落として清潔にする
– 細かな傷をつけて塗料の密着性を高める
– 油分を拭き取り、塗装がしっかり密着する状態にする
– ガラス繊維と樹脂で割れ部分を補強
– 凸凹やピンホールを埋め、なめらかにする
1. 浴槽の洗浄・カビ取り(水垢除去)
浴槽全体をきれいに洗い、カビや水垢をしっかり落とします。
2. 紙やすりで表面を整える(研磨 #240〜320)
細かい紙やすり(番号240〜320)で表面を削ります。

3. 脱脂で表面の油分を除去
アルコールや専用の溶剤で表面の油分や汚れをふき取り、塗料がしっかりくっつく状態にします。

4. ひび割れ・割れの補修(FRPライニング補強)
ひび割れや割れた部分にガラス繊維と樹脂を貼り付けて固め、強度と防水性を回復させます。

5. エポキシパテで形を整え、研磨で仕上げる
FRPライニング後は小さな凸凹やピンホールが残るのでエポキシパテで隙間を埋め、乾燥後に研磨して滑らかに仕上げます。
FRP浴槽塗装の塗装工程
下地処理と補修が終わったら、いよいよ塗装に入ります。
塗装は**下塗り(エポキシプライマー)と上塗り(浴槽専用の特殊ウレタン塗料)**の2工程で行い、耐久性と美しい仕上がりを実現します。
塗装工程の流れ(ステップ一覧)
– 上塗り塗料の密着性を高める
– 耐久性と光沢を持たせ、美しく仕上げる
1. 下塗り(エポキシプライマー)で密着性を高める
補修と下地処理を終えた浴槽に、エポキシプライマーを丁寧に塗布します。
この下塗りは、上塗り塗料との密着性を高め、塗膜の剥がれや浮きを防ぎます。

2. 上塗り(浴槽用特殊ウレタン塗料)で仕上げる
下塗りが完全に乾燥したら、浴槽用の特殊ウレタン塗料を塗ります。
耐水性・耐久性・防カビ性に優れ、しっとりとした光沢を長期間維持できます。

施工後の流れ
塗装が終わっても、塗膜はまだ完全に硬化していません。
適切な乾燥と仕上げの工程を経ることで、耐久性と美観を長期間保つことができます。
施工後の流れ(ステップ一覧)
– 塗膜を落ち着かせ、表面を安定させる
– 赤外線ヒーターで効率的に乾燥
– 異物を取り除き、バフ掛けで滑らかに磨く
– 養生材を外し、細部まで確認
– 翌日夕方からお湯張り・入浴が可能
1. 初期乾燥(15〜30分)
自然乾燥で塗膜を安定させ、表面を落ち着かせます。

2. 強制乾燥(1〜2時間)
赤外線ヒーターなどで効率的に乾燥し、耐久性を高めます。

3. 仕上げ
表面の微細なゴミを除去し、バフ掛けで滑らかな光沢を出します。
キャプション:バフ掛けで艶と滑らかさをプラス


4. 養生撤去と最終チェック
養生材を外し、細部まで確認し微調整を行います。

5. 使用開始
翌日夕方からお湯張り・入浴が可能です。
初回使用後は軽く洗い流すことで塗膜を長持ちさせます。

具体的な費用目安や施工手順を詳しく知りたい場合は、こちらの記事をチェックしてみてください。
費用相場とコストを抑えるポイント
FRP浴槽塗装の費用は、施工範囲や補修の有無によって変わります。
ここでは、浴槽のみ塗装する場合の費用感と浴室全体を塗装する場合との違い、さらに法人向けのコスト削減ポイントをご紹介します。
浴槽のみ塗装する場合の費用目安
- 目安:8〜12万円
- 特徴:浴槽だけを塗装する部分施工のため、費用を最小限に抑えられます。
- メリット:短工期(1日程度)で済み、営業や生活への影響が少ない。

浴室全体を塗装する場合との違い
- 目安:15〜20万円
- 特徴:天井・壁・床を含めて全体を塗装するため、統一感のある仕上がりになります。

法人向け(賃貸・ホテル・施設)でのコスト削減ヒント
- 入居前一括改修で動線を短縮:複数室をまとめて施工することで、人員や資材の効率化が可能。
- 浴槽のみ再生で客室回転率を維持:全体交換に比べ、短期間で再利用可能に。
- 定期メンテ計画でライフサイクルコスト最適化:劣化が進む前に補修・塗装を行うことで、大規模改修の必要性を減らす。
4. FRP浴槽塗装の施工事例集
ここでは、実際に施工したFRP浴槽塗装の事例を表形式と写真付き解説でご紹介します。
「施工前はどんな状態だったのか」「どんな方法で改善したのか」「仕上がりはどうなったのか」が一目で分かります。
事例一覧(施工概要)
No | 施工場所 | 施工前の状態 | 対処法 | 費用目安 | 工期 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 大阪市東成区 | 黄ばみ・くすみ | 浴槽専用塗料(フロスティホワイト)で全体塗装 | 約10万円 | 1日 |
2 | 大阪市淀川区 | 浴槽変色 | 浴槽のみ部分塗装(アイボリー色) | 約8〜9万円 | 1日 |
3 | 大阪狭山市 | 赤茶色く変色 | 浴槽全体塗装(ブルー色) | 約9万円 | 1日 |
4 | 大阪府八尾市 | 浴槽沈下・ひび割れ | 開口補強+FRPライニング+パネル補修+塗装 | 約20万円 | 2日 |
5 | 大阪府東大阪市 | カビによる変色 | 浴槽のみ塗装(壁色に合わせた調色) | 約10万円 | 1日 |
6 | 大阪府岸和田市 | 浴槽・カウンター変色 | 浴槽+カウンター塗装 | 約12万円 | 1日 |
事例1:築20年のマンション浴槽を白く再生
20年間使用して黄ばみや細かな傷が目立つ浴槽を、フロスティホワイトで全体塗装。
ユニットバス交換では100万円以上かかるところを、10分の1の費用で新品同様に。


- 施工場所:大阪市東成区
- 施工前の状態:黄ばみ・くすみ
- 施工内容:浴槽専用塗料(フロスティホワイト)で全体塗装
- 費用目安:約10万円
- 工期:1日
事例2:賃貸マンションでの部分施工
入居者募集のため、変色した浴槽のみ塗装。天井や壁は既存のままで費用を抑え、アイボリー色で温かみのある印象に。


- 施工場所:大阪市淀川区
- 施工前の状態:変色(アイボリー色希望)
- 施工内容:浴槽のみ部分塗装
- 費用目安:8〜9万円
- 工期:1日
事例3:ひどく変色した在来浴室のFRP浴槽をブルーに
赤茶色く変色していた浴槽を爽やかなブルーに塗装。交換よりも大幅に安く、1日で入居可能な状態に。




- 施工場所:大阪狭山市
- 施工前の状態:赤茶色く変色
- 施工内容:浴槽全体塗装(ブルー色)
- 費用目安:約9万円
- 工期:1日
事例4:ひび割れ・沈下を伴う難易度高め施工
浴槽の土台が破損し沈下、水が流れない状態に。底面を開口して補強し、FRPライニング+塗装で復旧。
タイルとの隙間にはパネルを張りました。






- 施工場所:大阪府八尾市
- 施工前の状態:浴槽沈下・ひび割れ
- 施工内容:開口補強+FRPライニング+パネル+塗装
- 費用目安:20万円(補修込み)
- 工期:2日
事例5:壁色に合わせたカラー塗装
カビによる変色があった浴槽を、壁色に合わせて調色塗装。統一感を持たせ、違和感なく仕上げ。




- 施工場所:大阪府東大阪市
- 施工前の状態:カビによる変色
- 施工内容:浴槽のみ塗装(壁色に合わせた調色)
- 費用目安:約10万円
- 工期:1日
事例6:カウンターも同時塗装で統一感
浴槽とカウンターの変色を同時に塗装し、色と質感を統一。浴室全体の高級感がアップ。




- 施工場所:大阪府岸和田市
- 施工前の状態:浴槽・カウンター変色
- 施工内容:浴槽+カウンター塗装
- 費用目安:約12万円
- 工期:1日
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5. DIYと業者依頼の違い
FRP浴槽の塗装はDIYでも可能ですが、仕上がりや耐久性を考えると業者依頼との違いは大きいです。
ここでは、費用・仕上がり・耐久性・工期・リスクの観点から比較します。
DIYと業者依頼の比較表
項目 | DIY | 業者依頼 |
---|---|---|
費用 | 約1〜3万円(道具・塗料代) | 約8〜20万円(範囲・補修内容による) |
仕上がり | 塗りムラ・刷毛跡が出やすい | 均一で美しい塗膜、色艶の再現性が高い |
耐久性 | 1〜3年程度で剥がれや変色が発生しやすい | 適切な下地処理で10年以上美しさを維持 |
工期 | 数日〜1週間(乾燥期間含む) | 1日〜2日で完了(強制乾燥含む) |
作業環境 | 換気・防毒マスク必須、作業スペースの確保が難しい | 専用設備・工具で安全に施工 |
リスク | 塗膜剥離・防水不良・塗料の臭い残り | 施工保証・アフターサービスあり |
補足解説
- DIYのメリット:材料費のみで安く仕上げられる点。
ただし、専用塗料や下地処理道具を揃える必要があり、作業環境の確保も必要です。 - 業者依頼のメリット:下地処理・補修・塗装・乾燥まで一貫施工。
短工期で高耐久、施工保証もつくため長期的に見ればコスト効率が高いです。 - 判断ポイント:短期利用や仮設的な対応ならDIYでも可能ですが、長く使う浴槽なら業者依頼がおすすめです。

DIYと業者依頼のメリット・デメリットを比較したい場合は、こちらの記事が参考になります。
6. 業者選びで失敗しないためのチェックポイント
FRP浴槽塗装は、施工の品質が耐久性や仕上がりに直結します。
ここでは、依頼前に必ず確認しておきたいポイントを整理しました。
チェックポイント一覧
- FRP浴槽塗装の施工実績が豊富か
- 施工写真や事例数が多いほど、経験値が高く信頼できます。
- 「浴室全体」や「部分施工」など、幅広い案件を手掛けているか確認しましょう。
- 補修(FRPライニング)に対応できるか
- ひび割れや割れがある場合、塗装だけでは不十分です。
- FRP補修の技術を持つ業者なら、耐久性と防水性を確保できます。
- 使用する塗料の種類と性能
- 浴槽専用のウレタン塗料やエポキシプライマーを使用しているか。
- 防カビ・抗菌性能や耐熱性の有無も確認ポイントです。
- 施工保証の有無と内容
- 剥がれや浮きが出た場合に無償対応してくれるか。
- 保証期間は1〜2年程度が一般的です。
- 工期と作業環境への配慮
- 1〜2日で完了できるか、強制乾燥設備があるか。
- 養生や換気など、生活・営業への影響を最小限にしてくれるか。
- 見積もりの内訳が明確か
- 塗装範囲・補修内容・塗料の種類・養生費用などが分かる見積もりか。
- 項目ごとの費用が明示されている業者を選びましょう。
業者選びは「施工実績・補修対応・使用塗料・保証・見積もりの透明性」が重要です。
特にFRP浴槽は施工難易度が高く、経験の浅い業者では仕上がりや耐久性に差が出ます。
複数の業者から見積もりを取り、上記ポイントで比較することをおすすめします。

大阪で信頼できる業者選びのコツや施工事例を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
7. まとめ
FRP浴槽塗装は「費用を抑えつつ新品同様に再生できる」賢いリフォーム方法です。
- 交換に比べて 費用は約1/10程度
- 工期は最短1日で生活や営業への影響が少ない
- 色や質感も自由に選べ、浴室全体の印象を一新できる
この記事では、費用相場・施工工程・事例・DIYとの違い・業者選びのポイントを解説しました。
実際の施工事例からも分かるように、部分施工から全体塗装まで柔軟に対応できるのがFRP浴槽塗装の魅力です。

浴槽や浴室のひび割れ・サビを素材別に補修する方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
FRP浴槽塗装のよくある質問(FAQ)
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浴槽のみの部分塗装は8〜12万円前後、浴室全体の塗装は15〜20万円前後が目安です。ひび割れがある場合はFRPライニング補強を併用するため、症状に応じて追加費用が発生します。
ポイント:交換に比べて費用は大幅に圧縮でき、工期も短縮できます。 -
通常は1日施工です。初期乾燥15〜30分 → 赤外線ヒーター等で強制乾燥1〜2時間 → 仕上げ・最終チェックを行い、翌日夕方からお湯張り・入浴が可能です。
補足:補修量が多い場合は、完全硬化を優先して使用開始を翌々日に延ばすことがあります。 -
はい、塗装だけでなくFRPライニング補強を併用することで、ひび割れ・割れの強度と防水性を回復させてから仕上げ塗装します。ライニング後の小さな凸凹やピンホールはエポキシパテで整え、滑らかに仕上げます。
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適切な下地処理と専用塗料(エポキシプライマー+浴槽用ウレタン)で、環境により差はありますが長期的な美観維持が期待できます。お手入れは中性洗剤+柔らかいスポンジが基本。研磨剤や金属たわし、強酸・強アルカリ洗剤は避けてください。
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可能です。ホワイト、アイボリー、グレー、ブルーなどの基本色に加え、壁やパネルの色に合わせた調色仕上げも対応できます。浴槽のみの部分塗装でも、色合わせで違和感のない統一感が出せます。
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短工期・低コスト・廃材削減を重視するなら塗装が有利です。一方、浴槽自体の形状変更やサイズ変更が必要な場合は交換が適しています。現地調査で費用対効果を比較し、最適な方法をご提案します。
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下地処理やライニング補強、温湿度管理が難しく、剥離・ムラ・臭気残りのリスクがあります。長期使用を前提とする場合は専門業者への依頼をおすすめします。
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