浴槽・ユニットバスのFRP塗装|入れ替えずに原状回復【変色・カビ・ひび割れ対策】

ユニットバスや浴槽(FRP)の黄ばみ等の変色・カビ・ひび割れ・汚れが気になってきたら、入れ替え前に「再生塗装」を検討してみませんか。今あるお風呂を活かしながら、下地補修+塗装(カラーコーティング)で見た目と清掃性をぐっと底上げできます。

💡再生塗装のポイント
  • 入れ替え不要:浴槽・壁・床を活かすから、廃材が少なく環境にもやさしいです。
  • 低コスト・短工期:解体をしない分、費用と時間の負担を抑えやすいです。
  • 幅広い症状に対応:黄ばみや汚れはもちろん、FRPのひび割れも補修+塗装で原状回復しやすいです。
  • 仕上がりサラッと清潔:専用塗料で艶や防汚性が戻り、毎日の手入れがラクになります。

本記事では、ユニットバスの基礎から再生塗装の流れ、入れ替えとの違い、症状別の判断、施工事例までをやさしく解説します。「入れ替えずに、気持ちよく使えるお風呂へ」――その近道を、一緒に見ていきましょう。

目次

まずは基礎:ユニットバスの構造とバスタブ素材を理解

再生塗装でムダなく綺麗に仕上げる近道は、最初に「仕組み」と「素材」を見極めることです。ここを押さえるだけで、直せる範囲・工期・費用がグッと具体的になります。次の2点をサクッと確認しましょう。

  • ユニットバスの構造と防水の考え方:水の流れ・コーキング・床パンの要点を把握します。
  • バスタブ素材の見分け方(FRP/人造大理石/ホーロー/ステンレス):下地処理と塗装の相性がひと目で分かります。

浴槽やお風呂の変色(黄ばみ)・カビ・ひび割れ・汚れに最適な手当てを選ぶための、最初のチェックです。続けて詳しく見ていきます。

ユニットバスの仕組みと防水の考え方

ユニットバスは、工場で成形したパーツ(浴槽・床パン・壁パネル・天井・ドア)を現場で組み立てる“箱の中の箱”です。

  • 床パンが要(かなめ):水は床パンに集まり、排水トラップへ。浴槽と洗い場が一体化している床パンもあります。
  • ジョイントとコーキング:壁パネルの継ぎ目、カウンター周り、エプロンの合わせ部は劣化しやすい箇所。コーキング痩せは汚れ・カビの温床になります。
  • 表層=塗装の守備範囲:再生塗装は“見える面”の機能と美観(艶・防汚性)を回復する工事。防水層の破断や下地の劣化がある場合は、FRPライニング等の補修が必要です。
  • よくある症状:変色・水垢・石けんカス、微細キズ、コーキングの黒カビなど。これらは下地処理+塗装で改善しやすい領域です。

バスタブ素材の見分け方(FRP・人造大理石・ホーロー・ステンレス)

素材を把握すると、最適な下地処理と塗装仕様を選びやすくなります。

  • FRP(繊維強化プラスチック)
    • 見た目:軽くて温かみ。裏面にガラス繊維の編み目が見えることも。
    • 触感:ぬるっとした樹脂感、コンコン叩くと軽い音。
    • 塗装適性:◎ 密着性を高める足付け研磨が鍵。ひび割れはFRPライニング補修+塗装で再生。
  • 人造大理石(アクリル・ポリエステル)
    • 見た目:透明感のある奥行きのあるツヤ。FRPより表面硬度が高い。
    • 注意:変色やブリスター(膨れ)に注意。下地研磨後、素材対応のプライマーを選定。塗装適性は○。
  • ホーロー(鋼板+ガラス質)
    • 見分け:磁石が付く、冷たく硬い。欠け部分は下に金属が見える。
    • 注意:エッチング等の下地処理が最重要。塗装適性は○(業者選びが重要)。
  • ステンレス
    • 見分け:金属光沢、磁石は付きにくい(鋼種により例外あり)。
    • 注意:傷や油膜をしっかり脱脂・研磨。ステンレス浴槽用プライマーで塗装は可能。

ミニチェックリスト

  • 品番シール(浴槽裏・点検口内)を確認
  • 磁石テスト(=金属系の可能性)
  • 叩いた音(軽い=FRP系、硬く響く=金属・ホーロー系)
  • 変色・カビ・汚れ・ひび割れの位置と範囲を写真で記録

ここまで把握できれば、「どこまで再生塗装で直せるか」「どの工程に時間とコストを配分するか」が明確になります。次章では、入れ替えずに価値を戻す“再生塗装の核心”をわかりやすく解説します。

再生塗装の核心:入れ替えずに価値を戻す技術

再生塗装は、今あるユニットバスを壊さずに光沢・清潔感・強さを一気に取り戻せます。

  • 低コスト・短工期で負担が小さいです
  • 変色・カビ・ひび割れまでまとめてケアできます
  • ツルっと清掃ラクな仕上がりになります

再生塗装の工程

「どこまで丁寧に下地を整えるか」で仕上がりと耐久性が決まります。手順はシンプルですが、丁寧に作業することがコツです。

  • ①徹底洗浄・スケール除去:皮脂・水垢・石けんカスを落として、塗料の“邪魔者”をゼロにします。
  • ②足付け研磨:細かなキズを面全体に均一に入れて密着力をアップ(#240~#400程度の番手)。
  • ③脱脂・乾燥:油膜やシリコン成分をクリアに。乾燥不足は密着不良の原因です。
  • ④欠損補修・パテ整形:小キズ・ピンホールを平滑化。段差を残さないほど後のツヤが映えます。
  • ⑤プライマー(下塗り):素材や状態に応じて選定(密着向上/質感向上など)。
  • ⑥上塗り:耐温水・耐薬品性に優れた2液ウレタンやアクリルシリコン系でカラーコーティング。
  • ⑦仕上げ:異物処理。ウレタンバフと超微粒子コンパウンドで仕上げ。
  • ⑧最終検査:膜厚・艶ムラ・手触りをチェックして引き渡し。翌日の夕方から使用可能です。

こちらの記事で、詳しい塗装工程を写真付きで説明しています。

FRPライニング補修との使い分けで強度も確保

ひび割れ・欠け・たわみがある浴槽は、「塗るだけ」では再生できません。
そんな時はFRPライニング補修+塗装で、見た目と強度を同時に回復します。

  • ライニングが向くサイン
    • ひびが指でなぞって段差を感じる/入浴時にたわみを感じる
    • 排水口まわり・縁・追い炊き口周辺など応力集中部の割れ
    • 貫通の恐れがあるクラックや欠損
  • 基本手順
    1. クラック周辺を研磨→平滑と足付け処理
    2. ガラス繊維+ポリエステル樹脂で積層(繊維の種類と必要層数を現場判断)
    3. 成形・硬化→研磨で面を整える
    4. エポキシパテで微調整→プライマー→上塗りで仕上げ
  • 仕上がりのメリット
    • 強度復活:入浴荷重や温度変化に耐えやすくなります。
    • 段差レス:平滑に整えるので艶が均一に映えます。
    • 防水安心:クラックの再発リスクを低減。

こちらの記事で、FRPライニングの工程を写真付きで詳しく説明しています

ポイントは、「塗る前に直す」という順番です。FRP浴槽のひび割れをしっかり補強してから塗装することで、変色・カビ・汚れへの見た目改善だけでなく、毎日の使用に耐える実用強度まで取り戻せます。

次は、入れ替えリフォームと再生塗装の“コスト・工期”比較で優位性を具体的に見ていきます。

比較でわかる優位性:入れ替えリフォーム vs 再生塗装

入れ替え前に「どちらが得か」を一目で。
下の比較表では、費用・工期・稼働への影響を中心に、再生塗装と入れ替えの違いを整理しました。
現場条件に合わせて、優先したい項目(コスト/停止日数/環境負荷)から検討してください。

比較項目再生塗装入れ替えリフォームメモ
費用(総額感)解体不要・廃材なしで総額を圧縮しやすい解体・廃材処分・設備再接続が必要で高くなりがち塗装は範囲を絞るほどコスト調整がしやすい
副資材・人件費小さい(1~2人の人件費)大きめ(複数職種の取り合いが発生)職種間の段取りで差が出る
範囲調整の柔軟性浴槽のみ/床のみなど部分対応が柔軟基本は一体交換で選択肢が少ない部分施工は見切り位置の設計が重要
工期・停止日数1〜2日が中心(乾燥含む)5〜10日以上になりやすい稼働を止めにくい現場ほど塗装有利
稼働への影響短期×低負担で営業停止・空室期間を最小化停止日数・調整コストが大きいホテル・賃貸・民泊で差が顕著
騒音・粉じん・振動少ない(解体なし)大きい(解体・搬出入あり)在宅・近隣配慮のしやすさに差
廃材・環境負荷廃材ほぼゼロで環境負荷が小さい廃材・運搬・処分の負荷が大きいSDGsや原状回復で評価されやすい
臭気の管理当日中心。翌日はほとんど臭気なし解体粉じん・接着剤等の臭気が出やすいレビュー(民泊等)への影響を抑えやすい
仕上がり・清掃性艶・防汚・親水性で写真映え&手入れがラク新品なので抜群(コストは高い)床はシート併用で防滑・断熱も可
リスクと対応下地劣化が大きい場合は補修(FRPライニング)を併用見えない劣化で追加工事・費用が発生しがち事前診断と仕様書の明確化が鍵

導入メリット

稼働を止めずに見映えと清掃性を上げられる――それが再生塗装の最大の強みです。
とくに民泊はレビューが稼働に直結するため、清潔なお風呂の維持は必須です。
一方で入れ替えは解体を伴い、コスト増・長期停止・騒音などの課題がつきもの。
再生塗装なら短期×低負担で黄ばみ・カビ跡・水垢をリセットし、写真映えと清掃性を同時に底上げできます。
ご家庭でも在宅のまま進めやすく、家族の使い勝手を保ったまま美観をスマートに回復できます。

ホテル・賃貸の原状回復で回転率とレビューを守る

  • 短期施工:客室や空室を長く止めず、計画的な面分けでロスを最小化。
  • 見映え回復が早い:黄ばみ・カビ跡・くすみが消え、写真映えとレビューを改善。
  • コスト最適化:入れ替え比で初期費用を圧縮しつつ、空室期間の機会損失も軽減。
  • 仕様を平準化:同一ホテル・同一物件で色・艶・質感を統一しやすく、管理がラク。

戸建・マンションで快適性と清掃性を底上げ

  • 解体しない安心:在宅のまま短工期。騒音・粉じん・搬入出ストレスが少なめ。
  • 毎日のお手入れが軽くなる:ツルっとした塗膜で水垢が落ちやすい。
  • 冷たさ・滑りに配慮:洗い場には浴室床用シートを施工すると、足元があたたかく、かつ滑りにくい床に。
  • 好きなカラーに:お好みのカラーで自分好みの雰囲気づくり。小さな満足が大きな満足に。

次は、再生塗装と入れ替えの費用を比較します。

再生塗装と入れ替えの価格比較

「いくら違うの?」をシンプルに。費用と停止日数の目安を並べて、最短で判断できるようにしました。

浴槽のみ/浴室一式の参考価格を再生塗装と入れ替えを表で比較

項目再生塗装(税別目安)入れ替え(税別目安)備考
浴槽のみ(FRP標準)¥80,000〜¥100,000¥250,000〜¥600,000既存配管流用可否・搬入経路で入れ替えは変動大
浴室一式(浴槽+壁天井+床)¥150,000〜¥250,000¥800,000〜¥1,800,000サイズ1216相当目安。設備交換を含むと入れ替えは上振れ
FRPライニング補修(1箇所)¥20,000〜¥80,000再生塗装時に同時施工で強度回復
工期・停止日数1〜2日5〜10日以上解体・大工・配管・電気の取り合いで長期化しやすい

入れ替えずにここまで変わる|再生塗装でユニットバスをリフレッシュ

かなり汚れが進んだユニットバスを、再生塗装で仕上げた実例をご紹介します。
通常なら入れ替えを検討しないと次の入居が決まりにくい状態ですが、下地補修+専用塗装で見映え・清潔感・清掃性を一気に回復。短工期・低コストで、入居OKのクオリティまで引き上げることができます。
まずはビフォーアフターをご覧ください。

天井・壁の黒ずみと変色が広がるユニットバス
天井・壁面の黒ずみと変色が顕著なユニットバス
FRP浴槽と洗い場床の強い汚れ・水垢・くすみ
浴槽と洗い場床の強い汚れ・くすみ

ここまで汚れや変色が進むと清掃だけでは難しく、通常は交換を考えるレベルですが、ビューティーメイクの再生塗装なら見違えるほどきれいに戻せます。

天井・壁が明るいアイボリーで艶やかに再生
施工後
天井と壁が見違えるほど綺麗に。明るいアイボリーで艶やかに仕上げ
FRP浴槽と洗い場床が新品同様の艶に回復
施工後
バスタブと床も新品同様のツヤに。清潔感と明るさが大幅アップ
スクロールできます
項目内容
場所大阪府八尾市
課題ひどい汚れと変色
実施内容浴槽用特殊樹脂塗料でユニットバス全面塗装
効果明るいアイボリーで清潔感のあるユニットバスに変身
工期1日半

この施工例のように、どれだけ汚れていても再生塗装で原状回復が可能です。
(今回はコストを抑える為、鏡や便器などは現状のままご使用)

その他の施工例は、施工例ページInstagramで随時更新しています。是非ご覧になってください。

💡次は失敗しない業者選びを確認していきます。

失敗しない業者選びのチェックリスト

浴室・浴槽の再生塗装は難易度が高く、施工者次第で仕上がりと持ちに大きな差が出ます。
「失敗しない業者選びのチェックリスト」で、安心して任せられる相手か見極めてください。

  • 問い合わせの対応:電話・メールのやり取りが丁寧か、返答は早いか
    • ここが雑な業者はトラブルになりがちです
  • 素材判定力:写真だけでも素材判別・提案・概算提示まで対応できるか
    • 判断が曖昧=経験不足の可能性があります
  • FRPライニング等の補修対応:割れ・たわみの要否判断、層数・範囲の根拠を説明できるか
  • 工期・復帰計画:工程表、乾燥時間、翌日入浴の可否を明示できるか
  • 臭気・換気対策:低臭仕様の有無、送排気計画、養生動線の配慮があるか
  • 見積の透明性:補修量、ライニング箇所、床シート有無、追加費用条件が明記されているか
  • 実績・写真:症状が近いビフォーアフター、ホテル/賃貸/民泊の原状回復例があるか
    • SNSや公式サイトで実例を確認しましょう
  • 保証・アフター:保証範囲・期間、アフター対応が文面で提示されているか
    • 口頭だけでなく書面で確認すると安心です

複数社に問い合わせて対応を比べてください。価格だけでなく、提案内容・工程・保証まで含めた総合評価が成功の近道です。

まとめ:入れ替えずに“使えるお風呂”を最短で取り戻す

  • 再生塗装の価値:ユニットバスや浴槽(FRP)の変色・カビ・ひび割れ・汚れを、下地補修+専用塗装で一気にリフレッシュ。解体なしで見映え・清潔感・清掃性を底上げできます。
  • 費用と工期:入れ替えに比べて低コスト・短工期。停止日数を抑えられるため、ホテル・賃貸・民泊は稼働を守りやすく、戸建・マンションでも在宅のまま負担が軽めです。
  • 症状別の対応
    • 黄ばみ・水垢・くすみ・カビ →塗装だけで対応可能
    • ひび割れ・たわみ → FRPライニング補強+塗装で強度から回復
  • 体感の改善:床は浴室床用シートで冷たさ・滑りに配慮。仕上がりはツルっと清掃ラク。
  • 業者選びがカギ:まずは初期対応が重要。素材判定、下地処理の段取り、ライニングの要否判断、使用材料・復帰計画・保証の見える化をチェック。見積の透明性と実績写真の有無も大事な指標です。

最後に――入れ替えを検討するほど傷んだ浴室でも、再生塗装なら短期×低負担で「次の入居・次の宿泊」に十分なクオリティへ。
具体的な費用や工期は現地の状態で変わります。まずは写真での素材判定と概算から、気軽にご相談ください。

ユニットバスの交換・塗装・補修に関するよくある質問(FAQ)

  • はい。表面を下地処理後、素材に適したプライマー+上塗りで再コーティングします。表層そのものを作り直すため、清掃で残った黄ばみやカビ跡、くすみまで見映えと清掃性ごと改善できます。

  • 工事完了翌日の夕方からご入浴が可能です。

  • 可能です。解体がないため騒音・粉じん・停止日数を抑えられます。短期で見映えを回復でき、写真映えと清掃性の向上がレビュー維持に寄与します。

  • 目安は浴槽のみ塗装:7.9万円〜、浴槽交換:25万円〜。浴室一式の塗装:15万円〜、浴室交換:80万円〜と、1/3〜1/5程度の費用差があります。

  • 割れ・たわみがある場合は塗装のみ不可。まずFRPライニングで補強・補修し、段差を整えてから塗装します。見た目だけでなく強度と防水性まで回復できます。

  • 可能です。浴槽のみ塗装や浴室床用シートの組み合わせなどが人気です。壁1面等にも対応可能です。

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この記事を書いた人

株式会社ビューティーメイク 代表取締役
水廻り再生リフォーム歴32年

日々、浴室・浴槽塗装、キッチン塗装等、パネル・シート施工等、水廻りの再生リフォームを研究しております。
少しでも皆様に再生リフォームを知っていただく為、わかりやすくお役に立てる記事を書いていきます。
水廻り再生リフォームに、ご不安やご不明な点、ご質問があれば
お気軽にご相談下さい。

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